研究課題/領域番号 |
19H01179
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
曽我 公平 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 教授 (50272399)
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研究分担者 |
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (00261206)
大久保 喬平 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (20822951) [辞退]
藤井 博史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 分野長 (80218982)
上村 真生 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 准教授 (80706888)
梅澤 雅和 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 講師 (60615277)
岸本 英博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80251213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | DDS / ナノキャリア / 排泄 / 近赤外 / OTN |
研究実績の概要 |
本提案では、生体におけるDDSナノキャリア構造としてのDINSの動態を3次元観察することにより、ナノキャリアを構成する分子の性質を含めた様々なナノ構造について動態の変化を系統的に解析することを目的とし、同時に、EPR効果やリガンド導入の効果を含め、投与直後から腎および胆汁排泄に至るまで、DINSの空間的分布を動的に半定量的に追跡・検証するシステムの構築を目指している。今年度は具体的には次のA~Dの課題を設定し、それぞれについて成果を得た。 「課題A:xyztの四次元撮像が可能な装置の開発」: OTN-NIR CT撮像装置において、Time Gated Imagingの二次元画像からCTによる三次元画像再構築を行うことにより、三次元での蛍光寿命を描出することができた。「課題B:DINSへのリガンド導入設計と合成」:Herceptinを導入したDINSの合成プロトコルを確立した。「課題C:リガンド無しDINS設計合成」:疎水コアをポリ乳酸とした場合に、光学異性体であるD体L体を混合したコアと、L体のみのコアのDINSとしての安定性、体内挙動の相違について検討を行った結果、L体のみのコアのほうが堅牢性が勝り、蛍光性保持能力が高いことが示された。「課題D:アルブミンOTN-NIRプローブとDINSプローブの比較」:アルブミンにOTN-NIR蛍光色素を吸着させたプローブの作製方法が確立された。特に蛍光性を維持するためにうまくアルブミンの疎水ポケットにOTN-NIR蛍光色素を吸着させるためには、十分に乾燥したアルブミンを粉砕したうえで、4℃において吸着させる方法が有効であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVIDによる進捗の遅れは、予算を2022年度に繰り越すことによりキャッチアップすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、最終年度の研究成果のまとめに向けて、「生体におけるDDSナノキャリア構造としてのDINSの動態を3次元観察することにより、ナノキャリアを構成する分子の性質を含めた様々なナノ構造について動態の変化を系統的に解析することを目的」というプロジェクト全体の目的と、これまで得られた成果を併せて再考し、次の目標を設定する。 (1) 浸液を用いたOTN-NIR CT撮像のin vivo 4Dイメージングへの応用の可能性と問題点の提示 (2) xytの3次元画像解析によるDINSの胆汁排泄経路のメカニズム解明 (3) プローブコア構造の相違によるコアの性質がマウス体内挙動に与える影響の解明
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