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2022 年度 実績報告書

「儒教美術史」構築のための発展的研究―東アジア文化圏の構造解釈と研究資源化

研究課題

研究課題/領域番号 19H01211
研究機関筑波大学

研究代表者

水野 裕史  筑波大学, 芸術系, 助教 (50617024)

研究分担者 守屋 正彦  筑波大学, 芸術系, 名誉教授 (90272187)
鷲頭 桂  独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 主任研究員 (90590448)
沖松 健次郎  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (30332133)
林 みちこ  筑波大学, 芸術系, 准教授 (40805181)
楢山 満照  女子美術大学, 芸術学部, 准教授(移行) (30453997)
塚本 麿充  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
勝木 言一郎  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 上席研究員 (50249918)
尾川 明穂  筑波大学, 芸術系, 准教授 (20630908)
井川 義次  筑波大学, 人文社会系, 教授 (50315454)
山澤 学  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
秋山 学  筑波大学, 人文社会系, 教授 (80231843)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード孔子 / 帝王学 / 聖蹟図 / 歴聖大儒像 / 帝鑑図
研究実績の概要

本課題は、新たな「儒教美術史」という領域を提唱することを目的とする。そのために、これまでの儒教に関する美術主題の事例研究の成果を発展的に統合し、儒教美術の成立地と波及地における様式的変容について、全体像を追究する。本年度もCOVID-19の流行に伴い、海外・国内調査の延期をしたが、下半期において当初の予定よりも研究を進めることができた。
(1)聖廟調査:佐賀県多久聖廟の調査をおこなった。
(2)作品調査:「聖蹟図」(多久市先覚者史料館)、狩野典信「孔子像」(福岡県立修猷館高等学校)、狩野常信「五聖賢像賛」(尼崎市立歴史博物館)等を調査した。日本に所在する儒教美術について、成立地である中国との図様の同一性と変容について確認し、有益なデータを得ることができた。
(3)展覧会における公開:研究成果の一部を特別展「孔子をまつる―歴聖大儒像の世界」(2022年11月、筑波大学附属図書館)にて公開した。
(4)講演・シンポジウム:上記の展覧会に合わせて11月3日に代表者の水野が、「狩野山雪「歴聖大儒像」の伝来と魅力 」と題する講演をおこなった。また、11月5日に「徹底解剖!!狩野山雪「歴聖大儒像」」をオンラインにて開催した。国内外から40名の参加者があり、年度末にはシンポジウムの成果報告論文集を刊行した。2023年3月18日には、台湾・中央研究院にて国際会議「東亞儒教藝術研究學術工作坊」を中央研究院との共催にて実施した。研究代表者の水野、分担者の塚本、鷲頭、楢山が研究発表をおこない、パネルディスカッションをおこなった。これらの内容は次年度以降に書籍として刊行する予定である。
(5)研究資源化:博物館や美術館が公開している収蔵品データベース、展覧会図録などから儒教美術に関する情報を博捜し、儒教美術データベースを作成している。また、展覧会図録とシンポジウム報告論文集の2冊を刊行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究は、東アジア諸地域の儒教の礼拝空間に顕れた「かたち」について、その研究資料と成果を資源化し、国際的な学術的研究拠点の構築を目指すものである。資源化として、2回の国際シンポジウムの開催、1冊のシンポジウム報告論文集を刊行でき、目標達成に向けて大きく進展したと判断できる。

今後の研究の推進方策

令和5年度は、COVID-19の収束が見えてきたこともあり、海外調査を中心におこなう。具体的には、夏頃にベトナム・ハノイの文廟、秋に山東省曲阜の孔廟を調査し、日本の孔子廟との比較をおこなう。また、これまで実施した日本各地の孔子像調査を継続し、本年度は新潟県・佐渡市、山形県米沢市、長野県中野市等の孔子像の調査をおこなう予定である。成果公開として、6月27日から8月6日の日程で、東京国立博物館にて、「儒教の美術―湯島聖堂由来の絵画・工芸を中心にして(仮)」と題する展覧会を開催する。また、年度末には、成果論文集を発行し、研究成果を広く一般に公開する。

  • 研究成果

    (22件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 9件) 図書 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [国際共同研究] 中央研究院/台湾大学/台湾師範大学(台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      中央研究院/台湾大学/台湾師範大学
  • [雑誌論文] 筑波大学附属図書館所蔵 狩野山雪筆 歴聖大儒像 六幅 保存修理報告2023

    • 著者名/発表者名
      池田和彦
    • 雑誌名

      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」報告論文集

      巻: - ページ: 1-10

  • [雑誌論文] 狩野山雪は歴聖大儒像でソロデビュー2023

    • 著者名/発表者名
      山下善也
    • 雑誌名

      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」報告論文集

      巻: - ページ: 11-16

  • [雑誌論文] 狩野山雪「歴聖大儒像」の源流―中国美術史から2023

    • 著者名/発表者名
      林聖智
    • 雑誌名

      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」報告論文集

      巻: - ページ: 17-26

  • [雑誌論文] 朝鮮通信使と歴聖大儒像2023

    • 著者名/発表者名
      程永超
    • 雑誌名

      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」報告論文集

      巻: - ページ: 27-42

  • [雑誌論文] 林家から見る十七世紀日本における釈奠2023

    • 著者名/発表者名
      武田祐樹
    • 雑誌名

      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」報告論文集

      巻: - ページ: 43-49

  • [雑誌論文] 祖霊の安寧を願う画題-宏道院出土画像石にみる鉄剣鍛造の作業風景2022

    • 著者名/発表者名
      楢山満照
    • 雑誌名

      下野玲子編『古代中国の神話と祥瑞―武氏祠画像石拓本』早稲田大学會津八一記念博物館

      巻: - ページ: 89-93

  • [雑誌論文] 『詩経』の解釈書としての『春秋左氏伝』2022

    • 著者名/発表者名
      秋山学
    • 雑誌名

      文藝言語研究 文藝篇・言語篇

      巻: 82 ページ: 1-19

  • [学会発表] 江戸時代の大名家における「聖像」とその作者2023

    • 著者名/発表者名
      塚本麿充
    • 学会等名
      東亞儒教藝術研究學術工作坊
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本近世の帝鑑図―狩野派と雲谷派2023

    • 著者名/発表者名
      鷲頭桂
    • 学会等名
      東亞儒教藝術研究學術工作坊
    • 国際学会
  • [学会発表] 道統図としての「歴聖大儒像」2023

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 学会等名
      東亞儒教藝術研究學術工作坊
    • 国際学会
  • [学会発表] 漢代銅鏡にみる故事人物図の多面的機能2023

    • 著者名/発表者名
      楢山満照
    • 学会等名
      東亞儒教藝術研究學術工作坊
    • 国際学会
  • [学会発表] 狩野山雪「歴聖大儒像」の伝来と魅力2022

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 学会等名
      筑波大学附属図書館特別展「孔子をまつる:歴聖大儒像の世界」講演会
  • [学会発表] 保存修理報告 狩野山雪筆「歴聖大儒像」6 幅2022

    • 著者名/発表者名
      池田和彦
    • 学会等名
      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」
    • 国際学会
  • [学会発表] 狩野山雪は歴聖大儒像でソロデビュー2022

    • 著者名/発表者名
      山下善也
    • 学会等名
      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」
    • 国際学会
  • [学会発表] 「歴聖大儒像」の機能と意味―中国美術史から2022

    • 著者名/発表者名
      林聖智
    • 学会等名
      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」
    • 国際学会
  • [学会発表] 林家資料から見る17世紀日本における釈奠2022

    • 著者名/発表者名
      武田祐樹
    • 学会等名
      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」
    • 国際学会
  • [学会発表] 朝鮮通信使と歴聖大儒像2022

    • 著者名/発表者名
      程永超
    • 学会等名
      シンポジウム徹底解剖狩野山雪「歴聖大儒像」
    • 国際学会
  • [図書] 孔子をまつる:歴聖大儒像の世界2022

    • 著者名/発表者名
      筑波大学附属図書館
    • 総ページ数
      38
    • 出版者
      筑波大学附属図書館
  • [備考] 儒教美術研究

    • URL

      https://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~confucianism/

  • [学会・シンポジウム開催] 東亞儒教藝術研究學術工作坊2023

  • [学会・シンポジウム開催] 徹底解剖!狩野山雪「歴聖大儒像」2022

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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