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2020 年度 実績報告書

自然科学的調査手法を用いた黄檗様彫刻の国内受容と変容に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01214
研究機関関西大学

研究代表者

長谷 洋一  関西大学, 文学部, 教授 (60388410)

研究分担者 大山 幹成  東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
島津 美子  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)
岡田 靖  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (40401509)
松島 朝秀  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60533594)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード黄檗様彫刻
研究実績の概要

今年度は新型コロナウイルス感染症の流行により課題に対する個人研究と今後の調査研究方向の打ち合わせに終始した。
長崎・崇福寺十八羅漢像での観察で確認できた赤色や黒色の下地に漆線彫を引き、線内に金泥に均質な砂粒を加えたものを塗布した技法については、日本の仏像と比較検討した結果、日本の仏像で像表面に使用されることはなく、台座の格狭間内の地模様として充填される使用例であることが判明できた。
金泥に砂粒を加えたものを像表面に塗布する技法は、本山萬福寺大雄寶殿の范道生制作の十八羅漢像のうち半託迦尊者、那伽犀那尊者、伐那婆斯尊者、羅怙羅尊者の各像の着衣および注荼半託迦尊者像の臂釧部分に認められる。しかし大雄寶殿本尊の釈迦三尊像(寛文9年・京仏師兵部作)では、各像の台座格狭間の地模様としてこの技法が充填され、黄檗宗以外の各宗派での仏像の台座格狭間の地模様に広く使用されて元禄期の仏像の台座に使用のピークが認められる。宝永期以降は、金泥・金箔の使用が制限され、格狭間内の地模様は沙綾形紋や菱紋を彫刻、あるいは透かし彫りの枝花紋を嵌め込む形式に代わっていく。
こうした中国彫刻の技法が、日本の仏像に使用される場合には像本体ではなく台座の装飾に変容、転用された事例が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度当初からの新型コロナウイルス感染症の流行によって、各研究者の研究機関とも外出自粛要請、全国で「緊急事態宣言」が出され、他県をまたがる調査研究が制限された。また調査対象の寺院からも訪問自粛があり、本年度は調査研究を行うことが不可能であった。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症の流行による調査研究の停滞を挽回するため、当初予定していた静岡・宝林寺諸仏像(寛文7年・仏師康祐ら)、奈良・王龍寺十六羅漢像(宝永7年・康倫)の調査を断念し、福岡・福厳寺諸仏像(康祐)及び群馬・宝林寺諸仏像(康倫)に集中して調査を行うことで、調査研究の挽回を計る予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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