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2022 年度 研究成果報告書

自然科学的調査手法を用いた黄檗様彫刻の国内受容と変容に関する総合的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19H01214
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関関西大学

研究代表者

長谷 洋一  関西大学, 文学部, 教授 (60388410)

研究分担者 大山 幹成  東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
島津 美子  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10523756)
岡田 靖  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (40401509)
松島 朝秀  高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (60533594)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード黄檗様彫刻 / 日本人仏師
研究成果の概要

萬福寺像は、クスノキを使用し頭体幹部は縦材一材で内刳りを施さない構造であった。表面の加飾技法は金箔層の下に鉛丹層があることが判明し、衣の文様からは鉛を検出した例を多く認めたため文様には鉛白の使用が考えられる。福厳寺四天王像・韋駄天像は、体幹部をヒノキ材の左右二材製とし、像前面、股下、両側面、背面等に材を寄せる変則的な箱組み構造であった。加飾技法は、酸化鉄を含む赤色の下塗りに金箔を貼ると考えられた。宝林寺像もヒノキ材で体幹部前面材と背面材の間に中間材を挟み込み両側面材で構成する構造で、金と鉄を検出したことから漆箔とみられ、限定的に鉛を検出した箇所もあり、下塗りに使用した顔料に違いが認められた。

自由記述の分野

日本彫刻史

研究成果の学術的意義や社会的意義

范道生作の萬福寺像は広葉樹の大木を丸彫りに近い技法で彫刻している。同寺隠元像は既に楠井氏が内刳りのあることを確認されたが、十八羅漢像は内刳りをしない点から范道生の彫刻技法が一様ではなかったと考えられる。福厳寺像や宝林寺像は、構造面から体幹部を正面三材と背面材とする箱組み構造、体幹部を左右二材で組み寄せて内刳りする一般的な寄木造、その他の構造に分類でき、特に福厳寺四天王像・韋駄天像と宝林寺韋駄天像は、構造、加飾技法から同一仏師の造像と考えられる。康祐・康倫の様式が異なる点や特殊な箱組み構造から康祐とともに萬福寺に出入りした仏師による製作の可能性が考えられる。

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公開日: 2024-01-30  

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