最盛期義太夫節浄瑠璃作品の、古浄瑠璃時代から現代まで続く浄瑠璃史のみならず、日本文学・文化史上への、新たな位置付けを実現すること、またその研究成果を国内および国際学会等で発信することを目指してきた。 まず、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』として、梗概とともに、翻刻にあたっての諸本調査を踏まえた詳細な書誌情報、宝暦年間までの浄瑠璃作品年表を付した浄瑠璃翻刻の第7期の刊行を目指した。20年度は、これまでの翻刻62作品に加えて、22年刊行予定の第7期として、『前内裏島王城還』(享保17)、『柿本紀僧正旭車』(延享1)、『将門冠合戦』(元文5)、『伊豆院宣源氏鏡』(寛保1)、『東鑑御狩巻』(寛延1)、『恋女房染分手綱』(宝暦1)、『玉藻前曦袂』(宝暦1)、『万葉女阿漕』(延享2)、『歌枕棣棠合戦』(延享3)、『増補用明天王』(享保17)の10作品の刊行を決定した。翻刻に当たっての影印資料の手配や、書誌調査などの準備をしつつ、それぞれの担当が、翻刻、梗概などの執筆を行い、玉川大学出版部の協力のもとに、研究成果公開促進費の申請し、出版刊行の手はずを整えた。 さらに、これまで刊行してきた翻刻作品について、コーパス作成を目指した語彙索引の研究会を重ねて、『丹州爺打栗』の自立語語彙索引のタグ付けを終了し、索引刊行を目指して再度の確認作業をおこなった。
|