研究課題/領域番号 |
19H01270
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡部 倫子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (30379870)
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研究分担者 |
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00255259)
坂野 永理 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 教授 (30271406)
畑佐 由紀子 広島大学, 教育学研究科, 教授 (40457271)
本間 宏利 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (80249721)
奥野 由紀子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80361880)
金 愛蘭 日本大学, 文理学部, 准教授 (90466227)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アカデミック日本語 / アセスメント / 音声コーパス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教室環境における学習および自律学習としての日本語アセスメント(Assessment as Learning)の実施を支援するため、アカデミック日本語能力の学習・評価が行えるオンラインのアセスメントツールを開発し、その妥当性と効果を検証することである。 主として、開発済みのアセスメントツールの現状と課題を確認した。2020年4月現在、開発プロセスにおいて、すでにアセスメントツールの運用と検証に着手しているため(奥野編, 2018; 後藤ほか, 2015; 高橋ほか, 2015; 渡部ほか, 2018など)、これまでの成果を確認するとともに、確認された課題について整理し、研究チーム間で共有した。 各チームには、アセスメントごとに研究手法や進捗にずれが生じることが予想されるため、検討すべき変動要因(テスト課題の数と認知的負荷、アセスメントツールで用いられている日本語およびテスト項目の難易度、評価基準の内容と数、採点者の経験と人数など)の整理を依頼した。 また、アセスメントおよび教材開発の基礎資料となるJALSPECを開発し、オンライン公開した。JALSPECは「日本語学習者の音声コーパス(Japanese Learners’ Speech Corpus)」の略で、現在、ペルシャ語、ヒンディー語、中国語、韓国語、タイ語、テルグ語、ロシア語、ポーランド語、デンマーク語を母語とする47名の日本語学習者(留学生)の短文読み上げデータを公開している。 2020年度は、初年度の成果を踏まえた上で、妥当性検証のための調査・実験研究の計画フレームを決定する。その後、開発済みのアセスメントツールを改善し、国内外の教育機関、様々な背景を持つ教員と日本語学習者を対象に、妥当性検証のための調査・実験を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の学会での成果発表をキャンセルせざるを得なかった。2020年度も対面による調査実験が困難な状況であるため、研究課題の進捗状況が遅れることが予想される。研究機関の延長も視野に入れ、研究計画を再考中である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、初年度の成果を踏まえた上で、妥当性検証のための調査・実験研究の計画フレームを決定する。その後、開発済みのアセスメントツールを改善し、国内外の教育機関、様々な背景を持つ教員と日本語学習者を対象に、妥当性検証のための調査・実験を実施する。 また、開発済みのアセスメントツールに新たなコンテンツを追加・公開する。 (1)読みの流暢さ測定ツール:初級終了レベル版に加え、中級レベル版と上級レベル版を公開する予定である。 (2)日本語学習者の音声コーパス(JALSPEC):ロールプレイ、自己紹介、ストーリーテリングのデータも公開に向けて準備中である。 さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、オンラインによる大学院入学試験問題(日本語)の開発と検討も進める。
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