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2020 年度 実績報告書

古代日本と朝鮮の金石文にみる東アジア文字文化の地域的展開

研究課題

研究課題/領域番号 19H01301
研究機関国立歴史民俗博物館

研究代表者

三上 喜孝  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10331290)

研究分担者 堀 裕  東北大学, 文学研究科, 教授 (50310769)
植田 喜兵成智  学習院大学, 付置研究所, 助教 (50804407)
稲田 奈津子  東京大学, 史料編纂所, 准教授 (60376639)
赤羽目 匡由  東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (60598853)
畑中 彩子  東海大学, 文学部, 准教授 (80453497)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード東アジア / 金石文 / 羅末麗初 / 日韓比較 / 仏教
研究実績の概要

今年度も昨年度に引き続き、1年を通じて新型コロナウイルス感染拡大の影響により、韓国での資料調査ならびに韓国の研究者との合同研究会をやむなく実施を断念せざるを得なかった。その代替措置として、オンラインによる国際学術会議への参加・発表や国際研究集会の実施を積極的に行った。とくに、韓国の国立慶北大学人文学術院や韓国木簡学会が主催する国際シンポジウムには、研究代表者ならびに研究分担者、研究協力者が積極的に登壇し、研究発表を行った。2019年11月5日~7日にわたって行われた韓国・慶北大学校人文学術院HK+事業団 第1回国際学術大会「古代東アジア文字資料研究の現在と未来- 韓国・中国・日本出土木簡資料を中心に -」において、研究代表者の三上喜孝が「日韓の木簡からみた古代東アジアの医薬文化」と題する研究発表、研究分担者の稲田奈津子が「東アジア儀礼研究の新視角―「物品目録」の検討から―」と題する研究発表を行った。2021年2月26日に行われた同第2回国際学術大会「木簡を通してみた古代東アジアの物資流通と管理」では、研究協力者の橋本繁が「釜山盃山城木簡と佐波理加盤付属文書」と題する研究発表を行った。このほかにも研究代表者、分担者ともに数多くのオンライン形式の国際研究集会に参加した。また、3月18日には本研究課題が主催した国際研究集会「中国・韓国における古代金石文研究の最前線」を実施し、中国・浙江大学の王海燕氏、韓国・慶北大学人文学術院の李道柱氏による金石文についての最新の研究成果を共有した。
資料収集については,韓国の古代~高麗前期までの金石文を中心に,基礎的なデータの収集と入力につとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、年間を通じて新型コロナウィルス感染拡大の影響で、予定していた韓国の資料調査をすることが不可能となった。しかしながら、2019年度までの研究分担者で、今年度から慶北大学人文学術院HK研究教授として転出されたために研究分担者からはずれ、研究協力者として本研究課題に取り組んでいる橋本繁氏により、韓国の金石文研究の最新状況や、発掘調査によって出土した木簡をはじめとする各種文字資料の最新情報について、頻繁に連絡を取り合いながら情報を共有し、可能なものについては鮮明な画像資料をもとに判読の検討なども行えたため、資料の実見調査の代替措置として、研究の進展があるていど可能になった。また、旅費を使用する機会が極度に減少した代わりに、赤外線デジタルカメラを購入したため、今後の資料調査に威力を発揮するものと思われる。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染による渡航制限や国内移動の自粛等は、2021年度もしばらくは続くものと想定される。2020年度は、オンラインによる研究会や国際研究集会は、やり方を工夫すれば対面の研究会と同等の研究上の効果を有することがわかってきたので、今後は、とくに国際研究集会をオンライン開催で計画することに注力したいと考える。資料の検討に関しては、引き続き韓国在住の研究協力者・橋本繁氏の協力を仰ぎながら、鮮明な画像による文字の検討などを行いたいと考えている。オンラインによる国際研究集会等を通じて、韓国や中国党、東アジアの研究者との交流や人脈作りにつとめ、新型コロナウィルスの感染状況が終息した段階で、スムーズに海外の資料調査ができるような体制を引き続き整えることにしたい。

  • 研究成果

    (30件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (14件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 渤海の中央官制と地方制度2021

    • 著者名/発表者名
      赤羽目 匡由
    • 雑誌名

      鈴木靖民・清水信行編『渤海の古城と国際交流』

      巻: 勉誠出版 ページ: 43-61

  • [雑誌論文] 殯をめぐる覚書2021

    • 著者名/発表者名
      稲田奈津子
    • 雑誌名

      古瀬奈津子編『古代日本の政治と制度―律令制・史料・儀式―』

      巻: 同成社 ページ: 2-23

  • [雑誌論文] 韓国出土の文書木簡 ~「牒」木簡と「前白」木簡を中心に~2021

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 224 ページ: 149-159

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 平泉出土文字資料へのアプローチ(1)饗宴と文字2021

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      平泉学年報

      巻: 1 ページ: 48-67

  • [雑誌論文] 『類聚國史』所載のいわゆる「渤海沿革記事」原史料の収集者について2020

    • 著者名/発表者名
      赤羽目 匡由
    • 雑誌名

      李仁在編『境界を越える高句麗・渤海使研究』

      巻: ヘアン出版(韓国) ページ: 287-317

  • [雑誌論文] 納棺・埋葬儀礼の復原的考察―トゥルファン出土随葬衣物疏を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      稲田奈津子
    • 雑誌名

      武漢大学中国三至九世紀研究所編『魏晋南北朝隋唐史資料』

      巻: 41 ページ: 235-257

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ‘内臣之番’としての百済・高句麗遺民-武周~玄宗開元年間の遺民の様相とその変化2020

    • 著者名/発表者名
      植田喜兵成智
    • 雑誌名

      李仁在編『境界を越える高句麗・渤海使研究』

      巻: ヘアン出版(韓国) ページ: 217-251

  • [雑誌論文] 月城垓子新出土木簡と新羅外位2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 雑誌名

      木簡と文字(韓国)

      巻: 24 ページ: 227-250

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 古代朝鮮の出土文字史料と「東アジア文化圏」2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 雑誌名

      唐代史研究

      巻: 23 ページ: 41-57

  • [雑誌論文] 月池(雁鴨池)出土木簡の研究動向および内容検討2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 雑誌名

      韓国古代史研究(韓国)

      巻: 100 ページ: 223-265

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 正倉院文書2020

    • 著者名/発表者名
      畑中彩子
    • 雑誌名

      佐藤信監修・新古代史の会編『テーマで学ぶ日本古代史 社会史料編』

      巻: 吉川弘文館 ページ: 199-209

  • [雑誌論文] 王宮からみた仏教の受容と展開―七世紀から九世紀を中心に―2020

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 雑誌名

      佐藤文子・上島享編『日本宗教史4 宗教の受容と交流』

      巻: 法蔵館 ページ: 12-40

  • [雑誌論文] 韓国出土木簡にみえる海産物とその加工品2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      国立歴史民俗博物館研究報告

      巻: 221 ページ: 123-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本出土の古代木簡―古代地域社会における農業経営と仏教活動―2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      木簡と文字(韓国)

      巻: 24 ページ: 347-356

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 古代日本論語木簡の特質―韓半島出土論語木簡の比較を通して―2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 雑誌名

      木簡と文字(韓国)

      巻: 25 ページ: 173-189

    • 査読あり
  • [学会発表] 在唐高句麗遺民の祖先叙述類型とその変化2021

    • 著者名/発表者名
      植田喜兵成智
    • 学会等名
      朝鮮史研究会関東部会1月例会
  • [学会発表] 釜山盃山城木簡と佐波理加盤付属文書2021

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 学会等名
      慶北大学校人文学術院HK+事業団第2回国際学術大会「木簡を通してみた古代東アジアの物資流通と管理』
  • [学会発表] 東アジア宮中仏事の比較史―日本と百済・新羅を中心に―2021

    • 著者名/発表者名
      堀裕
    • 学会等名
      日韓古代比較宗教史国際シンポジウム(東北大学)
  • [学会発表] 東アジア儀礼研究の新視角―「物品目録」の検討から―2020

    • 著者名/発表者名
      稲田奈津子
    • 学会等名
      慶北大学校人文学術院HK+事業団 第1回国際学術大会「古代東アジア文字資料研究の現在と未来―韓国・中国・日本出土木簡資料を中心に―」
  • [学会発表] 近年の高句麗遺民墓誌に関する研究動向2020

    • 著者名/発表者名
      植田喜兵成智
    • 学会等名
      第5回金毓黻と東北アジア史研究会
  • [学会発表] 東アジアにおける則天文字の使用と受容の状況―中代・下代新羅文字資料に対する分析を中心に―2020

    • 著者名/発表者名
      植田喜兵成智
    • 学会等名
      中国文化大学東亜学国際学術論壇「漢字文化於東亜地区的伝播及受納的動態」部会
  • [学会発表] 日本学界の『翰苑』研究の動向と課題―7世紀資料として活用するための試論―2020

    • 著者名/発表者名
      植田喜兵成智
    • 学会等名
      学術会議「日本所在の 唐代類書, 『翰苑』 蕃夷部の総合的検討」(韓国)
  • [学会発表] 雁鴨池出土木簡の研究動向および検討2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 学会等名
      韓国古代史研究会・国立慶州文化財研究所主催シンポジウム『統一新羅の宮苑池、東宮と月池の調査と研究ー回顧と展望』
  • [学会発表] 新羅文書木簡2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 学会等名
      国立慶州博物館主催シンポジウム『統一新羅文字の世界』
  • [学会発表] 中古期新羅地方社会の文字使用と疎通2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 学会等名
      第6回世界人文学フォーラム(韓国)
  • [学会発表] 韓国出土論語木簡の原形復元2020

    • 著者名/発表者名
      橋本繁
    • 学会等名
      韓国木簡学会主催『東アジア「論語」の伝播と桂陽山城』
  • [学会発表] 日韓の木簡からみた古代東アジアの医薬文化2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      韓国・慶北大学校人文学術院HK+事業団 第1回国際学術大会「古代東アジア文字資料研究の現在と未来- 韓国・中国・日本出土木簡資料を中心に -」
  • [学会発表] 古代日本における論語木簡の特質 -韓国出土の論語木簡との比較から-2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      韓国・桂陽山城博物館、慶北大学校HK+事業団、韓国木簡学会主催国際学術大会「東アジア論語の伝播と桂陽山城」
  • [学会発表] 観音信仰、百済から日本へ ―『観世音応験記』を出発点として―2020

    • 著者名/発表者名
      三上喜孝
    • 学会等名
      日韓古代比較宗教史国際シンポジウム(東北大学)
  • [学会・シンポジウム開催] 中国・韓国における古代金石文研究の最前線2021

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公開日: 2021-12-27  

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