研究課題/領域番号 |
19H01385
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
外川 健一 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (90264118)
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研究分担者 |
阿部 新 山口大学, 国際総合科学部, 教授 (30436745)
佐々木 創 中央大学, 経済学部, 教授 (40634100)
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
浅妻 裕 北海学園大学, 経済学部, 教授 (70347748)
木村 眞実 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (80516865)
岩田 奇志 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (90515446)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 中国 / スリランカ / タイ / 韓国 / 自動車リサイクル / 自動二輪リサイクル / 電池リサイクル / 循環資源の中国ショック |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウィルスの蔓延で、世界中のいたるところでロックダウンが実施されたこともあり、現地調査は困難であり、文献調査に集中した。また科研費の繰越申請を行うことで、2020年度に計画していた現地計画を2021年度に行うことができ、一部の調査は2022年度への繰越が可能になった。しかし、中国に関してはゼロコロナ政策が続き、ほぼ研究初年度以外は、期間中に香港も含め現地調査を遂行できなかった。そこで、主に日本の自動車リサイクルシステムの課題について、自動車バンパーを事例に、リユース、マテリアルリサイクル、ASRとしての処理などのシナリオ分析を行い、それぞれの環境影響評価を行った。さらに、山形大学のご協力で、関東圏、北海道地域、韓国の解体工場の使用済み自動車から発生したバンパー材の再生材としての品質評価などを行った。この分析により各地域で集められる自動車によって、再生材としての評価が異なることが分かった。今後、中国から発生する使用済み自動車の国際比較も試みる計画である。 中国に関しては、文献調査(中国における車載リチウムイオン電池のリユース・リサイクル)を中心に行った また、研究分担者が2018年度に行ったスリランカでの現地調査について論文を執筆した。さらにスリランカの事例からメーカー主導によりリユースやリサイクル、国際資源循環の重症性に着目し、トヨタ自動車㈱の現地法人Toyota Daihatsu Engineering & Manufacturing社の石本義明氏、DOWAエコシステム㈱の現地法人Waste Management Siam社の高木啓充氏と産学連携による共同研究を国際学会で発表を行うことができた。 中古二輪のリサイクルについてはベトナムの現状についての調査・考察を行い、研究成果を公にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの世界的パンデミックの中、予算の繰越が認められ、その間にこれまでの研究成果を整理しつつ、文献購読を中心に考察を深めることができた。また、日本国内の業界関係者の協力を得ながら、バンパーに代表される廃プラスチック類のリサイクルについての現状と課題を明らかにできた。また、ベトナムやスリランカでの現地調査を基にした報告を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナの世界的パンデミックの中、現地調査は相変わらず厳しい。日本国内からアクセスできる文献資料や、ウェブのセミナー、ウェブでのインタビュー調査を可能な限り進める。 中国に関してはリビルト部品の普及状況や、中古車市場の動向のついて、とくに中古電気自動車の流通について、私たちの研究の意義を理解してくださる商社等からアドバイスを受けながら、可能な限り調査する。 車載用電池については、リチウムイオン電池としての特性上、その取り扱いには留意すべき点がある。中国を中心に、韓国、日本、EUの、車載用電池のリユース・リサイクルの動向について調査を進める。自動二輪についてもこの点は同様である。 コロナ禍が自動車リユース、リサイクル業にどのような影響を与えたのかを日本や中国を中心に考察を進める。
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