研究課題/領域番号 |
19H01397
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
宮岡 真央子 福岡大学, 人文学部, 教授 (70435113)
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研究分担者 |
野林 厚志 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (10290925)
田本 はる菜 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (20823800)
松岡 格 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (40598413)
岡田 紅理子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 講師 (70802502)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 台湾 / 原住民族 / 先住民族 / 近現代史 / アーカイブ / 生活変容 |
研究成果の概要 |
本研究は、台湾のオーストロネシア語族系先住民族である原住民族が1980年代半ばに着手した社会運動「原住民運動」の前史に当たる1960-80年代前半に焦点を当て、生活世界の変容と原住民族による実践を主題とした。生活、生業、土地利用、工芸、信仰、言語を各自の課題に設定し、従前の調査資料と各種アーカイブを活用し研究を進めた。 その結果、原住民族の生活や社会の変化は、国家権力、政策、技術、近隣漢民族、文字表現、観光客、キリスト教宣教師、聖書など多様なアクターが複雑に絡まり合って引き起こされたものであることとその具体的様相の概要が明らかになった。 これらの成果は論文のほか台湾の国際学術会議で発表した。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「原住民運動」前史にあたる原住民族現代史の研究は、政治的タブーも関係し従来少なく、機密文書の公開が進んだ近年に端緒についた。本研究は人類学的観点から当該年代の生活の変容の一端を明らかにしたが、これは「原住民運動」の成立要件の解明に繋がるという意義をもつ。また、アジアで多文化主義政策を先駆的に実現した台湾における原住民族現代史の経験を具体的に明らかにした本研究は、他地域における先住民族の権利回復への道筋や多文化主義実現を考究する研究の参照材料となり得る。また、日本の研究者が当該年代に収集した写真を含む学術資料をアーカイブ化、書籍化したが、これは現地を含む社会一般への成果還元という意義をもつ。
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