研究課題/領域番号 |
19H01449
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
浅野 正彦 拓殖大学, 政経学部, 教授 (40376629)
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研究分担者 |
尾野 嘉邦 東北大学, 法学研究科, 教授 (70598664)
横山 智哉 立教大学, 社会学部, 助教 (20806153)
矢内 勇生 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 講師 (50580693)
河村 和徳 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60306868)
杉浦 元亮 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60396546)
福元 健太郎 学習院大学, 法学部, 教授 (50272414)
齋藤 五大 東北大学, 文学研究科, 助教 (70823772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 投票行動 / ビジュアルイメージ / ヒューリスティック |
研究実績の概要 |
今年度は、研究初年度として、候補者の笑顔度が得票と関係があるのかをサーベイ実験を実施することによって明らかにすることが目的であった。本研究は、観察研究班、サーベイ実験班、実験室実験班及び脳画像解析班などに分担して実施した。 2020年3月にオンラインによるサーベイを実施したが、このサーベイでは、参院選挙における男性候補者の顔写真を使用し、候補者の顔が得票に与える影響とその要因などに関する実験を行った。
分析結果については、ある程度当初の想定通りの結果が得られた。この研究成果に関しては、今後、日本国内外の学会等で積極的に発表する予定である。観察研究班は、衆議院選挙の選挙公報を入手し、笑顔度測定をアルバイト学生の協力を得て実施する予定であったが、今年度についてはサーベイ実験を中心に研究を進めることに変更した。この変更を実施しても、当初の研究目的の達成は十分可能であると判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サーベイ実験班は、交付申請時に計画していたサーベイ実験を年度内に完了することができた。一方、観察研究班については、当初の予定を変更し、サーベイ実験班が行うサーベイ実験を中心に研究を進めることに変更した。この変更を実施しても、当初の研究目的の達成は十分可能であると判断したため、本研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、今年度も観察研究班(浅野、河村、矢内)、サーベイ実験班(尾野、福元、浅野)、実験室実験班(齋藤、横山、河村)及び脳画像解析班(杉浦、尾野、横山)で分担して研究を実施する。 観察研究班は、候補者の笑顔度と得票の「相関関係」を明らかにするための観察研究に必要な資料収集として、衆議院選挙の選挙公報を可能な限り入手する。サーベイ実験班は、候補者の笑顔度と得票の「因果関係」を明らかにするための実験などを行う。サーベイ実験では、笑顔度の得票に対する影響を確認するため、被験者が実験素材(顔写真)に対し先入観を持っていないことが必要である。そのため、昨年度に引き続き、加工可能な写真を購入して実施する。次に、候補者の顔と得票に関するパイロットテスト実験を1000人程度に対し実施する。また今年度から、政治家の顔ステレオタイプに関する逆相関法を使った可視化を実施する。
実験実施にあたっては、すべての班が参加する研究会をオンラインで開催し、実施内容や実施時期、計画を他の班のメンバーを含めて相談する予定である。パイロット実験の結果を受け、実験の内容や計画を必要に応じて修正したうえで、顔写真評価のためのサーベイを1000人程度に対し実施予定である。サーベイ実験後、実験結果を共有し、今後の研究を進めるための研究会を再度開催する。実験室実験班及び脳画像解析班については、今年度は班としての研究活動は行わないが、研究会に参加し、観察研究班やサーベイ実験班との情報交換や意見交換を行うことで、次年度以降の具体的な実験内容を検討する。
2020年初頭から始まった地球規模でのコロナウイルス蔓延の影響を受け、当初予定していた研究計画が大きな変更を余儀なくされている。具体的には、現時点で実験室実験や学会発表は困難である。今後のコロナウイルスの蔓延状況に応じて、我々の研究内容を柔軟に変更する予定である。
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