研究課題/領域番号 |
19H01456
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
松村 史紀 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (80409573)
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研究分担者 |
板橋 拓己 成蹊大学, 法学部, 教授 (80507153)
小川 浩之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60362555)
河本 和子 一橋大学, 経済研究所, 研究員 (50376399)
鈴木 一人 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 教授 (60334025)
友次 晋介 広島大学, 平和センター, 准教授 (90622019)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スプートニク事件 / 冷戦 / マスメディア / 報道 / 科学技術政策の変容 / 国際宇宙観測年(IGY) |
研究実績の概要 |
本年度は前年度に引き続き、以下、二つの研究課題について各自が研究を進めた。①スプートニク打上げが各国の科学技術政策に与えた影響、②マスメディアによるスプートニク事件の報道。具体的な研究実績はつぎのとおりである。 ①研究会の開催:8月18日に第五回研究会を開催した。最初に各自が進捗状況を報告し、つぎに松村がスプートニク事件をめぐる中国共産党の公式報道について研究報告を行った。その後、初年度の研究分担者であった土屋から最新の研究成果(『文化冷戦と科学技術――アメリカの対外情報プログラムとアジア』京都大学学術出版会、2021年)について報告をしてもらい、合評会をした。同研究会での二報告はスプートニク報道の分析方法、科学技術史研究の方法について研究分担者間の理解を深める機会となった。 ②各自の研究:松村は中国における科学技術政策とスプートニク事件関連の報道についての資料調査分析を進め、板橋はボン(ドイツ)に出張し、ボン・エーベルト財団などでドイツ社会民主党(SPD)と核に関する資料を収集した。小川はイギリスにおけるスプートニク事件の影響を政策と報道の両面から調査分析、河本はソ連におけるスプートニク事件の報道を分析し、とりわけ一般市民の認識に着目した。山本は日本において新聞雑誌がスプートニク事件をどのように取り上げたのかを分析した。研究協力者の石垣はフランスを訪問し、スプートニク事件に関する資料を広く調査した。なお、総論を担当する鈴木はスプートニク事件全般の先行研究を調査・分析し、前史を担当する友次は国際宇宙観測年(IGY)に関する関連資料の調査・分析にあたった。 ③研究発表:各自が書籍、論文、学会報告などで研究成果の一部を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
板橋、小川、友次の3名がコロナ禍のため当初予定されていた通りに海外渡航ができなかった。各自、国内での関連資料収集に努めたほか、板橋が2023年3月にドイツ出張をして関連資料を収集できたという状況であるため、研究の進捗がやや遅れた状況にある。ただ、それ以外の研究活動についてはおおむね当初の予定通り、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は最終年度となるため、本科研プロジェクトのメンバーは最終成果の発表に向けて研究を進展させる。具体的にはつぎのように研究活動を推進する予定である。①研究会を4回開催する。前半の2回は、全メンバーに進捗状況を詳細に報告してもらった上で、学会・研究会などでどのように特別セッションを組み、最終成果発表をするのか相談・決定する。後半の2回は最終成果報告会に当てる。そのうち1回は比較的進捗の早い河本、山本、松村が研究報告をすることとし、最終回には全メンバーによる最終成果概要の報告をしてもらう予定である。②各自、それぞれ担当するテーマに関連する一次資料の収集・分析作業および関連する二次文献の分析作業を行う。③学会・研究会の特別セッションを企画し、応募する。
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