研究課題/領域番号 |
19H01551
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
横田 絵理 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20277700)
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研究分担者 |
坂口 順也 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (10364689)
乙政 佐吉 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20379514)
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 教授 (30368386)
大西 靖 関西大学, 会計研究科, 教授 (80412120)
妹尾 剛好 中央大学, 商学部, 准教授 (60610201)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マネジメント・コントロール / 日本 / 統治構造 |
研究実績の概要 |
本研究は,近年の統治構造改革が内部のマネジメント・コントロールに与える影響を経験的に検討し,学術界や実務界に向けて発信することを目的としている。本研究の目的を達成するため,まずマネジメント・コントロールに関するわが国の先行研究を網羅的に検討し,マネジメント・コントロールの学術上の論点と,わが国での実務の変遷を包括的に把握することを初年度の計画とした。 2019年度は本研究の理論的基礎を明確にするため,企業の統治構造やマネジメント・コントロールに関する先行文献の整理に着手した。具体的には,Anthonyによってマネジメント・コントロールの概念が提唱された1965年以降の雑誌論文を対象に,これまでの傾向を書誌学的方法により明らかにした。これと並行して,企業の統治構造に関する先行研究を幅広く渉猟することにより,重要な分析視角が抜け落ちないように留意した。またヨーロッパ,オーストラリア等の地域で海外の在住の研究者と意見交換し,本研究の意義を明確化した。本助成の準備期間から研究蓄積を行ってきたマネジメント・コントロールに関する先行研究の網羅的検討を続けその報告を先んじて行った。 また,マネジメント・コントロールの構築について誰がどのように影響を与えているのか,その影響力について,2019年11月から12月にかけて質問票調査を行い,実態を把握した。加えて,企業統治構造の変化がその組織メンバーにどのような影響を与えるかという点について心理的契約の観点からパイロット調査も行った。 研究のプロセスでは研究メンバーがそれぞれに先行研究の検討その他研究を進めるともに,3か月に1度,研究会を行い,研究全体像を共有した。 研究成果として,2019年9月神戸学院大学で行われた日本会計研究学会に自由論題報告および同学会での統合報告において代表者がマネジメント・コントロールについて論題報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した,先行研究の探求とその検討,まとめを外部報告まで至ったことからおおむね順調に研究が進展しているものと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
中間年度の2020年度は、おもに本研究の第一の目的を達成するために、まず、前年度での先行文献の整理結果の投稿を行う。投稿先としては、日本会計研究学会、日本管理会計学会、日本原価計算研究学会を想定している。 同時に、前年度の研究者へのインタビューを参考にして今年度はいくつかの事例を対象とした集中的なインタビュー調査を実施するとともに質問票によるパイロット調査を実施し、わが国企業の統治構造とマネジメント・コントロールの実態を定量的にも把握する。海外の大学でのワークショップに参加し、現地の研究者との意見交換を通じ変数や仮説の精緻化を行う。これと並行して、次年度に実施する大規模質問法調査の質問項目を確定する。
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