研究課題/領域番号 |
19H01566
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
田中 きよむ 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00253328)
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研究分担者 |
玉里 恵美子 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (40268165)
霜田 博史 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (50437703)
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
中川 善典 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (90401140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 移動問題 / 高齢者の免許返納問題 / 社会福祉協議会 / 中山間地域 / 地域共生拠点 |
研究実績の概要 |
中山間地域における移動問題の調査対象である仁淀川町吾川地区中津川地域における第2期地域福祉活動計画の取り組みにおいて、とくに住民座談会の問題意識(ワークショップ)が除雪問題と移動問題に収斂されていった。 それをふまえ、同地域で移動ニーズアンケート調査をおこなった結果、移動問題の解決を図る方法として、①「知り合いに有償で乗せてもらう」が最も高い回答割合であった。乗せてもらう側の自由意思に基づく任意の謝礼であれば、違法性はない。②「乗り合いタクシーの創設」は、地域内で同じ目的地に向かう場合、一人当たりの負担が安くなり、行政補助が得られるとすれば、さらに安くなる可能性がある。③「タクシー料金を安くしてほしい」と「ガソリン代程度の地域支えあいの仕組み」が同じ回答率になっている。前者は、タクシーチケットなど行政助成策の充実にも関わり、後者は地域の支えあいの仕組みとして、ガソリン代の実費であれば合法的な活動となる。④「NPO過疎地有償運送の仕組み」も一定の支持を得ているが、この場合は、道路運送法上の仕組みとして、運輸支局に登録すれば、タクシー料金の半額以下の料金での移動支援が可能となる。 さらに、アンケート調査をふまえて、戸別訪問聞き取り調査をおこなった結果、降雪時の移動のための除雪作業を独力で実施する困難さ、集会所に集まる頻度の減少、近くの個人商店が閉業する不安、バスの時間や本数がニーズに合っていない問題、自分や家族が運転できなくなった時の不安、移動スーパーでは買い物ニーズが満たせていないこと、通院は受付まで付き添うニーズがあることなどが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響もあり、当初の3年計画を1年延長したが、その結果、当初予定していた調査は基本的に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アンケート調査や訪問調査をふまえて、仁淀川町の第3期地域福祉活動計画に合わせて、移動問題の解決に向けた取り組みを実行に移していく実践的な課題が残されており、さらなる訪問調査や地域座談会を重ねながら、具体的手法を住民や社協、行政と一緒に検討していきたい。
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