研究課題/領域番号 |
19H01578
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研究機関 | 恵泉女学園大学 |
研究代表者 |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
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研究分担者 |
小ヶ谷 千穂 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (00401688)
大橋 史恵 お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 准教授 (10570971)
平野 恵子 お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 特任リサーチフェロー (50615135)
伊藤 るり 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (80184703)
徐 阿貴 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (90447566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 家事・介護労働 / 移住女性 / 再生産領域 / 国際労働力移動 / 性別分業 / 社会的連帯 / 主体性 / ケア労働 |
研究実績の概要 |
今年度は研究初年度にあたり、次年度からの本格的調査のための先行研究の検討、および調査対象者との関係構築に努めた。また2019年4月に施行された「特定技能」での介護をめぐる募集・送り出し状況について、他の在留資格での介護労働への影響を考察するため、調査を加えて行った。 1)歴史的に見た家事・ケア労働者の運動と連帯の調査に関して資料調査および予備調査を行った。研究会において、坂井博美氏(南山大学)より「高度経済成長期の『女中』について」研究発表していただいた。 2)「永住」「定住」「日本人の配偶者等」の就労に制限のない在留資格の移住者による家事・ケア労働と「介護」労働の在留資格での就労者を完全に分離して調査することは現実的ではなく、多様な在留資格の方が働いていることを想定して、大阪・京都での「在日韓国・朝鮮」のディケアサービス、介護施設への聞き取り調査、東海地区・東京・神奈川等のインドネシア人コミュニティ、東京のフィリピン人家事労働者に対して聞き取り調査の準備を行った。また、神奈川県の介護専門学校の留学生に関する聞き取り調査(7月)も行った。 3)フィリピン、ベトナム(8-9月)、インドネシア(2月)における調査から、特定技能での送り出しの準備をする送り出し機関が存在する一方で、2017年から始まった技能実習制度における介護分野が先行してあり、その利権構造等によって特定技能の送り出しが始まりにくいことが判明し、詳細を国際シンポジウムで発表し、論文にまとめた。EPA介護福祉士資格取得後の帰国者への聴き取り調査も始めている。3月に予定していたフィリピンへの調査はCOVID-19感染症流行によって延期した。 4)次年度の定量調査の準備として、諸機関との関係構築は2,3月のCOVID-19感染症の流行および外出自粛によって、施設側等への配慮から延期していが、調査票の検討を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19感染症流行の影響で現地調査や調査の一部を延期している。
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今後の研究の推進方策 |
2,3月に行う予定だった調査も含めて、COVID-19感染症流行の状況を見極めつつ聞き取り調査を行う。また介護施設や家事・介護労働者労働者への定量調査を行う予定だが、現在休むことのできない、しかも感染リスクのため訪問等が不適切と考えられる。したがって、調査時期は対象者に迷惑がかからない時期を見極め、女性労働と権利要求の歴史的な資料の分析、先行研究分析として家内労働との比較研究を積極的に行っていく。 現地調査としては、福岡での在留米軍宅でのハウスメイド、移住女性介護労働者への支援団体への聴き取り、関西、関東地方での調査、フィリピン、インドネシアでの送り出しと帰国した家事・介護労働者への聴き取り調査を計画している。
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