研究課題
2020年度はCovid-19の感染拡大のためすべての調査を延期した。国際社会学の分野で家事労働者の連帯や組織化について、公に議論する機会を2回設けた。第一に第93回日本社会学会大会のテーマセッション(14)「移住家事労働者研究の現在と未来」(2020年 10月31日(土))では、『家事労働の国際社会学』がもたらした移住家事労働者研究の成果をふまえつつ、このテーマに関連する最新の調査分析や、アフリカやラテンアメリカなど同書では扱われていない地域における動向の紹介など、5人の報告者とともに研究領域のさらなる発展を目指した討論を行った。第二にお茶の水女子大学IGSセミナー「『家事労働の国際社会学』を読む」(2020年 11月15日(日))では、各章の執筆者の報告に対してフェミニスト経済学者足立眞理子氏、フェミニスト思想研究家の伊田久美子氏からコメントがあり、労働と資本の顕在する磁場として家事労働の研究の重要性が確認された。2021年度はオンライン研究会において、山崎哲氏(一橋大学大学院)より高齢期の中国帰国者に関する研究、合地幸子氏(東洋大学アジア文化研究所)よりインドネシア・ジャワにおけるケアの概念に関する研究の報告があり、文化的・歴史的背景による介護やケアの違い、課題について理解を深めた。また、7月31日にお茶の水女子大学IGSとの共催でセミナー「ジェンダー、エスニシティ、技能実習制度」において巣内尚子より「パンデミックとジェンダー/エスニシティ:在日ベトナム人女性の困難と連帯の可能性」の報告が行われた。国家戦略特区の「外国人家事支援人材」の雇止めに関してNGOや労働組合とも勉強会を行った。限られた範囲での移動が可能になったことで、後半は移住家事・介護労働者に対する調査調査票作成・翻訳・実施準備を行い、東海・福岡において支援者と介護職養成事業者への現地調査を実施した。
2: おおむね順調に進展している
Covid-19感染拡大のため、現地調査等は遅れているが、家事・介護労働に従事する移住者に関する研究の学問的意義や分析における課題は議論によって深められた。調査に関しては、いつでも開始できるように準備を進めている。
2021年度において、家事・介護労働に従事する移住者への計量調査が実施できるように、専門的知識を持つ方に現在の動向をうかがい、調査票を作成し、主な対象者が解答可能と考えられる言語に翻訳を行う。感染症対策もあり、直接会うことが非常に困難であるため、紙媒体での調査ではなく、オンラインでの調査を実施する。また施設など雇用者側への調査準備を行う。調査の結果を2022年度にまとめ、2023年2月ごろに調査協力者や研究者を交えて結果を公開するシンポジウムを開催する予定である。
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すべて 雑誌論文 (22件) (うちオープンアクセス 4件、 査読あり 5件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 5件、 招待講演 5件) 図書 (4件)
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