研究実績の概要 |
日本社会心理学会ならびに日本心理学会の2013年ならびに2018年の大会論文で報告されているp値の分布を用いたメタ分析(pカーブ分析、zカーブ分析)の結果を論文にまとめ投稿した。COVID-19パンデミック下における感染症と嫌悪感情、道徳、そして内外集団への態度の関連を論じる行動免疫仮説についての追試研究(国際比較データおよび 国内時系列データの取得)を継続し、分析結果を日本社会心理学会で報告する他、公正社会信念にかんする分析結果をPeerJ誌に掲載した(Murakami et al., 2022)。 心理学の再現性問題ならびに信頼性革命にかんするジャーナルクラブ(ReproducibiliTea Tokyo)を年間通じて継続開催した。その成果として、社会心理学や進化心理学から得られたエビデンスの質と、その適正な取り扱いについての考察を日本心理学会大会企画シンポジウムに話題提供(平石, 2022a)し、「科学」誌(岩波書店)にて発表した(平石, 2022b)。ジャーナルクラブの活動報告を認知科学誌に掲載した(平石・池田, 2023)。 これらと並行して、感情開示と被害者避難現象の関係(樋口ほか, 2023)、謝罪型感謝(山本ほか, in press)、サンプルサイズ・ヒューリスティックス(藤島, 2022, 日本社会心理学会報告)や、結末情報と幸福度評価にかんする知見(藤島, 2022, 日本心理学会報告)など、様々な知見の追試研究も進めた。また、再現性危機の背後にあると考えられる心理学者一般の心理統計の数学的理解の不足を補う方法を実践的に検討する集中ワークショップを前年度に継続して開催した。
|