本研究は、これまで加齢や認知症に主として焦点をあてられてきた認知予備力について、高齢者や認知症のみならず、医療従事者が臨床現場で出会うさまざまな精神疾患(統合失調症や気分障害など)や神経疾患(脳卒中や脳腫瘍など)の発症から回復への機能的な理解や予後の予測の目的のために適用可能な道具を開発することができたといえる。今後、認知予備力と病気の回復率との関係や脳構造・脳機能との関連を明らかにするために有用であろう。さらに臨床の現場でこれを精神疾患や神経疾患に応用することによって、疾患を保有しながらの社会復帰やよりよい生活を送るための判断補助となると思われる
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