研究課題
基盤研究(B)
まず、局所体の分岐群については、その次数商がアーベル群でありp倍で消えることを証明した。その指標群からある種の微分形式の群への単射を構成した。さらにこの後者の群の構成を大域化し、混標数の正則スキームの標数pのファイバー上に、Frobenius--Witt余接束を構成した。このベクトル束上に、エタール層の特異台を定義した。またスキームの正則性の判定法も与えた。
数論幾何
局所体の分岐の古典理論においては、剰余体が完全という仮定が必要であったが、高次元の多様体やスキームの分岐を調べるには、この仮定を取り除くことが必要である。分岐群の次数商の構造を解明することで、局所体の分岐理論の一般化の基礎的な部分が完成した。この研究において、Frobenius--Witt微分形式の定義を発見した。これによって、正標数の多様体上のエタール層の特異台や特性サイクルの理論を、より整数論的な対象である混標数のスキーム上に拡張する道が開けた。