研究課題/領域番号 |
19H01922
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川田 和正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10401291)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ガンマ線 / 宇宙線 / ミューオン / 空気シャワー |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、南米ボリビア・チャカルタヤ山中腹 (標高 4,740m) の実験サイトにプロトタイプの観測装置(ALPAQUITA)を完成させ、その建設の実現性・問題点を検証することである。本研究により、ALPAQUITA実験の水チェレンコフ型ミューオン検出器の設計が完了し設置の準備が整った。また、ALPAQUITA実験のすべてのシンチレーション検出器の設置が完了し2022年9月よりデータ収集を開始した。取得データを解析した結果、約3ヶ月の観測で「月の影(=月による宇宙線の遮蔽現象)」の検出に成功した。これにより、角度分解能は約1度と推定され、当初の期待通りの性能を実証した。
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自由記述の分野 |
宇宙線物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙線が発見されて100年以上が経つが、未だその起源についての確定的証拠は得られていない。荷電粒子である宇宙線は宇宙に存在する磁場で方向を曲げられ直接その起源天体を同定できない。一方、加速源で生成された高エネルギー宇宙線は銀河系内の分子雲と衝突して高エネルギーガンマ線を発生させる。磁場による偏向を受けないガンマ線を観測することで、宇宙線の起源を同定し、高エネルギー天体での粒子加速や、宇宙線の地球までの伝搬方法を明らかにすることができる。本研究では、銀河系中心領域を含む南天領域からの100TeV領域ガンマ線を高感度で実現させるためにプロトタイプ検出器を建設し、期待通りの性能を実現させた。
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