研究課題/領域番号 |
19H01972
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
當房 豊 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (60572766)
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研究分担者 |
足立 光司 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90630814)
永塚 尚子 国立極地研究所, 研究教育系, 特任研究員 (30733208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 北極域 / エアロゾル-雲相互作用 / ダスト / 氷晶核 |
研究成果の概要 |
北極域で発生する氷河起源ダスト(氷河堆積物から大気中へと飛散したダスト)は、氷晶核粒子(氷形成能力を有するエアロゾル粒子)として働くことで、北極上空での氷形成過程に影響を及ぼす可能性がある。そこで本研究では、スヴァールバル諸島のZeppelin山大気中での氷晶核粒子の数濃度の通年観測を実施した。その結果、約-20℃以上の温度域で活性を示す氷晶核粒子は、夏季に増加する傾向にあることが明らかになった。さらに、夏季におけるエアロゾルの数濃度や組成等の分析を行ったところ、スヴァールバル諸島内で発生したダスト等の自然起源エアロゾルが氷晶核粒子の増加に影響していたことを示唆する結果が得られた。
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自由記述の分野 |
大気環境科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北極域では急速な温暖化が進行しているため、一般的には、北極上空の雲内での氷形成は起きにくくなると言われている。一方、本研究では、北極域で発生する氷河起源ダスト等の影響によって、氷晶核粒子の数濃度が増加する可能性がある(つまり、雲内での氷形成が促進される可能性もある)ことを示した。今後、北極域での温暖化の進行によって雪氷の融解・消失が進行すると、北極域からのダストの発生量は増加すると言われている。本研究で得られた成果は、北極域の温暖化の影響によって、北極上空のエアロゾルや雲にどのような影響があらわれるのかを評価する上でも、重要な科学的知見となりうる。
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