研究課題/領域番号 |
19H02014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大路 樹生 名古屋大学, 博物館, 特任教授 (50160487)
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研究分担者 |
井龍 康文 東北大学, 理学研究科, 教授 (00250671)
高柳 栄子 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40729208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カンブリア紀 / エディアカラ紀 / モンゴル / 多細胞動物 / 藻類 / 生痕化石 / 多様化 / 進化 |
研究成果の概要 |
エディアカラ紀からカンブリア紀には多細胞動物の急激な出現と多様化が起こっているが、エディアカラ紀からはほとんど多細胞動物の化石は産出せず、なぜ多様化が短期間に生じたように見えるのかも解明されていない。本研究ではモンゴルでのフィールド調査を中心にこの問題に取り組んだ。また海洋環境と底生生物の分布や成長との関係、例外的に良好に保存された化石の保存メカニズムに関する研究も行った。その結果、エディアカラ紀にはすでに多細胞動物が存在し、捕食動物から避ける行動の存在が確かめられた一方、藻類化石の連続的な産出から、植物ではエディアカラ紀とカンブリア紀との境界に大きな絶滅現象はなかったことが示唆された。
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自由記述の分野 |
古生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カンブリア紀の多細胞動物の急激な多様化はダーウィン以来の生物学の大きな課題の一つであり、それ以前の時代から化石の証拠が見つからないのは大きな謎であった。我々のモンゴル西部の調査から多細胞動物がカンブリア紀以前に存在したことが見出され、捕食者から逃れる行動をとっていたことも分かってきた。また藻類化石はカンブリア紀以前とそれ以降で連続的に同じ種が産し、動物とは異なる進化を当時示していたことも初めて分かってきた。このような生物進化の大問題をフィールド調査から解明することができたことは、学術界のみならず一般にとってもこの世の中の多様な動物の世界の始まりを知るうえで大きな意義を有すると考えられる。
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