ジルコニア材料(3Y-TZP,ATZ)を95 ℃のNaOHやH3PO4溶液に7日間浸漬することで生体活性を付与する手法を開発した.アパタイト形成量はNaOHよりもH3PO4処理の方が高かった.特にH3PO4処理した3Y-TZPでは,表面のほぼ全てがアパタイト層で被覆され,高いアパタイト形成能を示した.さらに,二軸曲げ試験とジルコニアの劣化の指標となる単斜晶率の測定を行った.その結果,3Y-TZP,ATZ材料はNaOHやH3PO4で処理後も二軸曲げ強さは低下しなかったが,約30%の正方晶ジルコニアが単斜晶に変態した.このため,劣化を抑制可能なジルコニア材料やその処理方法が望まれる.
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