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2019 年度 実績報告書

エリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態とその効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H02317
研究機関大阪市立大学

研究代表者

嘉名 光市  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (70381978)

研究分担者 栗山 尚子  神戸大学, 工学研究科, 准教授 (00362757)
堀 裕典  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (00614653)
蕭 コウジ  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30796173)
瀬田 史彦  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50302790)
阿久井 康平  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 助教 (90779315)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード景観マネジメント / エリアマネジメント / アンケート調査 / 海外事例調査
研究実績の概要

本研究ではまず、エリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態を国内外
の代表事例から把握するため、全国におけるエリアマネジメント団体による景観マネジメント活動の実態を網羅的に把握するためのアンケート調査設計を行って、予備調査を実施した上で、全国エリアマネジメントネットワークの協力を得て全国アンケートを実施した。本研究では様々な主体により地域の景観を地域自らがマネジメントしていくような取組を「景観マネジメント」とした上で、全国アンケート調査を通じて、エリアマネジメント団体による景観マネジメントの現状を明らかにすることを目的として全国アンケート調査を実施した。景観マネジメントは、「自主ルール(デザインガイドライン等)」、「景観形成事業(デザインレビュー等)」、「公共施設・公共空間の管理等」、「空家・空店舗・空地対策」、「イベント等による賑わい創出」、「広告事業(エリアマネジメント広告)」、「サイン等の設置」の観点から分析した。次に、エリアマネジメント団体の類型を設定した上で、類型ごとの景観マネジメントの特徴を分析した。その結果、「大都市・混在市街地型」や「大都市・成熟市街地型」で景観マネジメントに関する活動が多く実施され、景観への効果が大きいと感じられている傾向があった。また、「地方・その他市街地型」では自主ルールの策定・運用は少ないが、その他の活動は多く実施される傾向であり、「まちなか広場型」では公共空間の管理等を基本に景観に配慮した取組がなされており、いずれも景観への効果が大きいと感じられていたことが明らかとなった。
他にも国内事例調査Ⅰとして実施した近畿圏における御堂筋、グランフロント大阪や中部圏の富山市における景観マネジメントの取り組みをまとめた論文や、海外事例調査として台湾・台北市の歴史的市街地における景観マネジメントの実態を調査した論文を学会にて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初設定された全国アンケート調査や国内外の事例調査はおおむね順調である。2020年度は、昨年度新型コロナの影響により実施できなかった海外事例調査(北米・シアトル市・デンバー市など)、欧州(フランス・アンジェ市・ナント市など)ため、今度は改めて調査を実施した上で、研究全体へ還元したい。

今後の研究の推進方策

2021年度は、2020年度新型コロナの影響により実施できなかった海外事例調査(北米・シアトル市・デンバー市など)、欧州(フランス・アンジェ市・ナント市など)を行う。海外事例では、行政景観施策と団体活動の連携事例や、空店舗が生じない街並景観コントロールによる官民協働、デザインレビューにおける行政と団体との役割分担などの実態を調査すると共に、国内事例での効果実証調査のための枠組みの設定を行う。
また、全国アンケートの結果分析を踏まえ、全国におけるエリアマネジメント団体の景観マネジメント活動の実態に基づき類型化し、各類型の代表事例として首都圏の大丸有、中京圏の名駅、近畿圏の御堂筋とグランフロントなどを抽出したため、これらの事例を対象に今年度の国内事例調査IIを進める。
国内事例調査IIでは、以上に抽出した代表事例に対して団体調査と行政調査を進めると
共に、景観マネジメント活動に関する効果実証調査を実施する。効果実証調査では、景観
マネジメントによる下記の諸効果について評価・実証を実施する。(1)印象改善:来街者アンケート調査により従前と従後の印象評価を把握する。具体的には、来街者による調査対象空間への景観などへの印象評価項目(帰属感、安心感、調和性、満足度、快適性など)を調査して、印象改善への効果を評価する。(2)賑わい効果:来街者への観察追跡調査、滞留時間の変化、回遊行動の変化などを調査する。具体的には、調査対象空間において季節(春夏秋冬)・時間帯(朝昼夕)ごとの来街者の回遊行動(滞在場所、行為、移動ルートなど)を調査して、賑わい効果を評価する。(3)環境や地域価値の向上効果:テナント・事業主や行政側による評価、更に地価(路線価・公示価額)・テナント賃料など各種統計データ
に基づく評価に基づいて、景観マネジメントによる環境や地域価値の向上効果を多様な視点・側面から客観的に評価する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 公共空間における利用者アクティビティの通年変化に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      遠矢 晃穂、嘉名 光市、蕭 コウジ
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: 54 ページ: 375-382

    • DOI

      10.11361/journalcpij.54.375

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 観光地化が進む大阪市道頓堀・戎橋筋周辺街路における歩行者行動の実態2019

    • 著者名/発表者名
      木村 優輝、嘉名 光市、蕭 コウジ
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: 54 ページ: 975-982

    • DOI

      10.11361/journalcpij.54.975

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 台北市迪化街の歴史的保全地域における容積移転の運用実態とそれに伴う地域の変容に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      蕭 コウジ
    • 雑誌名

      都市計画論文集

      巻: 54 ページ: 1452-1459

    • DOI

      10.11361/journalcpij.54.1452

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A STUDY ON TOWN PLANNING EDUCATION THROUGH NIGHT LANDSCAPE FORMATION IN CITY CENTER2019

    • 著者名/発表者名
      AKUI Kohei、HORITA Yukou、KUBOTA Yoshiaki
    • 雑誌名

      AIJ Journal of Technology and Design

      巻: 25 ページ: 1367-1372

    • DOI

      10.3130/aijt.25.1367

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 営みとともにある生きた景観の継承と変化ー魚津中央通り商店街を対象にー2019

    • 著者名/発表者名
      阿久井康平
    • 雑誌名

      2019年度日本建築学会(北陸)都市計画部門研究懇談会資料 生きた景観マネジメントの実践

      巻: ‐ ページ: 67-70

  • [雑誌論文] トランジットモールに資するストリートファニチャーの開発実践と滞留時間・滞留人口からみた賑わいの評価ー富山市大手モールを対象としてー2019

    • 著者名/発表者名
      阿久井康平・久保田善明・高柳百合子・本田豊
    • 雑誌名

      第1回土木技術者実践論文集研究発表会論文集

      巻: ‐ ページ: 17-18

  • [学会発表] トランジットモールに資するストリートファニチャーの開発実践と滞留時間・滞留人口からみた賑わいの評価ー富山市大手モールを対象としてー2019

    • 著者名/発表者名
      阿久井康平・久保田善明・高柳百合子・本田豊
    • 学会等名
      土木学会 土木技術者実践論文集研究発表会
  • [図書] 2019年度日本建築学会(北陸)都市計画部門研究懇談会資料 生きた景観マネジメントの実践2019

    • 著者名/発表者名
      日本建築学会都市計画委員会編
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      日本建築学会

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公開日: 2021-12-27  

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