放射線を照射した伝熱面で、伝熱劣化現象が発生しうること が実験的に確認された。実験は、ガンマ線または電子線照射した銀伝熱面、アルミ伝熱面、炭素鋼伝熱面を中心として、表面の沸騰現象がどのように変化するかを伝熱実験及び画像解析によって評価した。本現象は、特に沸騰気泡と伝熱面の関係が重要であることを見出し、核沸騰状態を維持するための液膜の挙動に着目した。照射による表面の微細構造の状態変化が、沸騰核の生成を促し、沸騰気泡が伝熱面を覆いやすくなる。結果として微細な変化がマクロ伝熱に影響していると考えられる。
|