研究課題
基盤研究(B)
原子力発電所が発災した際、あらかじめ設置していた放射線モニターの測定データから放射性物質の放出率を迅速に逆推定する新たな手法の確立を目的として研究を実施した。本課題では、計算モデルによって得られる放射性物質の移流・拡散をレスポンス関数として計測地点で得られる放射能データからunfolding法でソースタームを推定する手法を確立した。また、地形の影響を受けにくく、線量率やスペクトルデータを任意の地点で計測可能な海上特殊ブイの開発に関する検討を行い、海上放射線モニタリングシステムの開発を行った。
原子力学
原子力発電所事故時における迅速な放射性物質放出量推定は、地域住民の避難経路策定や環境への影響を評価する上で重要な指標となる。本研究は、その推定手法を確立するとともに、海上放射線モニタリングシステムの開発により測定点を増やすことで、放出量推定精度の向上も期待できることから、原子力災害時における社会的意義は大きい。