研究課題
基盤研究(B)
ナノ空間への分子の吸着は主として、細孔表面原子と吸着分子との間の相互作用、細孔の静電ポテンシャルと吸着分子との相互作用および、吸着分子同士の相互作用による。しかしながら、吸着材料の開発において、吸着分子同士の相互作用はあまり考慮されていない。もし、吸着分子同士の相互作用を変えられれば、大きく吸着機能を変化できると考えられる。そこで、本研究課題では、ナノ空間の科学の新領域を開拓することを目的に、クラスター型吸着を示す、金属―有機複合体のナノ空間材料を設計して合成を行い、吸着特性評価を行った。
錯体化学
ナノ多孔体(ナノメートルサイズの小さな細孔を有する固体材料)は、空気や水の浄化や気体の精製、触媒、エネルギー変換材料等、私たちの身近な機能性材料として使用されています。金属-有機構造体(MOF)はその細孔構造や性質を様々に変えられる新しいナノ多孔体として注目されています。本研究課題では、MOFを利用して、まったく新しい分子吸着機能を実現するもので、その成果は二酸化炭素や酸素などの様々気体の分離を革新的に省エネルギー化し、高効率化することが期待されるものです。