本研究では、三重項励起準位に関連した励起子過程の学理を深化させ高効率有機デバイスを実現することを目的とした。励起準位を高度に制御した熱活性化遅延蛍光(TADF)やそのホスト材料および蛍光材料を創出し、高効率な有機発光ダイオード(OLED)まで実証した。材料安定性を向上させる分子設計指針を導出し、安定な構造を用いて高い励起準位をもつ青色TADF材料を創出することで、高色純度の青色OLEDの開発に成功した。一方、高い量子収率を示す近赤外発光材料を開発し、TADF材料と組み合わせることで、高効率近赤外OLEDも実現した。
|