従来から界面活性剤をはじめとする両親媒性分子を用いて,世界で初めて高品質なナノポーラス金属(金属ナノ多孔体)を実現させた.本物質系は,骨格が金属のみから形成している電気伝導性の高い多孔体であり,従来の無機酸化物系とは異なる電気化学系への応用が期待される.本研究では,これらの概念をさらに拡張し,グルコースセンサへの展開を推進した.また,単なるグルコースセンサの開発を目指すだけではなく,金属ナノ多孔体の特徴を最大限に活かし,物性-ナノ構造の相関性を理解することで,新しい学理の構築も目的にした.全体の流れとしては,基盤技術の開発を主に行い,次に構造の最適化,更にはデバイス化と進めた.
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