研究課題
基盤研究(B)
本研究では標的核酸と選択的に反応する反応素子の創製を目指し、標的誘起反応性を有する新しい核酸修飾素子の開発に取り組んだ。その結果、①標的誘起反応性のための優れた脱離基を発見、②G4重鎖(G4)構造選択的な反応剤を開発、③化学修飾RNA探索法の開発に成功した。特に②ではパラレルG4構造選択的な反応剤も開発することに成功、③では反応するRNAを簡便かつ大規模にランク化(1824種の配列の反応性ランク化)することに成功した。
核酸化学
開発した反応素子は、核酸との反応点が従来の反応素子とは異なり二本鎖構造の内部に存在する。さらに、標的誘起反応性をキーワードに分子の反応性を巧みに制御することで、目的の核酸構造で活性化し修飾できる選択性の高い分子を開発することに成功した。活性化のシグナルは標的核酸に結合すること、という非常にシンプルかつ新規性の高いものであり、学術的意義は高い。共有結合性薬剤や核酸の構造解析試薬への展開が期待される。