研究課題
CBL5の孔辺細胞における発現をGUSレポーターアッセイによる測定で検討したところ,既存の発現組織別発現結果と一致した.また,維管束系において顕著な発現が見いだされた.cbl5変異株の表現型は観察されなかった.孔辺細胞で発現して気孔閉鎖に関与する陰イオンチャネルのSLAC1はリン酸化を受けると活性化する.SLAC1を活性化するリン酸化酵素のCIPK11とCBL5が結合して機能することを以前に示唆したが,新たなSLAC1の活性化分子として調節に関わるリン酸化酵素としてCBL5-CIPK11が機能することが示めされた.このリン酸化酵素は質量分析の結果より,これまで知られているSer/Thr以外の残基にリン酸化が生じることが示唆された.気孔閉鎖は細胞の浸透圧や細胞壁の調節と相関して膜タンパク質を調節することによって細胞内浸透圧の調整についての知見を得た.並行して,大腸菌の単細胞系で植物分子と膜輸送体の機能活性を検出するための基礎的検討を行った.高い塩濃度の添加によって,細胞表層の健全性が影響を受けることが示された.K,Na,Clのイオンとその輸送が生体膜の性質にも影響を与えることが明らかになった.生体膜に係留するCPK6はN末領域のCys5がパルミトイル化修飾されている.他のCysがパルミトイル化を受ける可能性について置換体を用いて,生物化学的な手法で検討したところ,Cys5のみが選択的にパルミトイル化を受けることが分かった.シロイヌナズナの24種類のパルミトイル基転移酵素のcDNAを酵母ベクターに載せ替えて,酵母に導入してCPK6を共発現させた.脂質検出に関しては官能基置換による方法で検出感度の増大を図るため若干の効率化を行った.多くのパルミトイル基転移酵素がCPK6を対象にして24種類の中から大部分のパルミトイル基転移酵素がパルミトイル化修飾に関与することが明らかとなった.
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochemical Journal
巻: 478 ページ: 41~59
10.1042/BCJ20200723