研究課題
19、20、21年度においては、A. steueri、O. oculata、P. nihonkaiensis、3種の浮遊性カイアシ類の最適餌料を明らかにし、高い卵生産と生存率を有するスーパーカイアシ類を培養し継代培養を達成した。当該年度も引き続き、①高密度培養におけるカイアシ類の応答の調査と、②高密度培養技術の開発を実施した。①カイアシ類A. steueri雌成体を100~2000 inds. L-1と異なる個体密度条件下で培養した。A. steueriの死亡率、卵生産数は、検証した密度範囲内では生存、卵生産が変化せず、高密度培養に耐性を持つ浮遊性種であると考えられた。2000 inds. L-1 条件では孵化率が低下し、容器あたりの孵化卵の生産性 は1500 inds. L-1 条件で最大化されたため、最適密度と考えられた。②P. nihonkaiensisを対象に、培養槽内に異なる表面積の付着基質を設置した条件下での培養実験を実施した。槽内に存在する付着基質表面積の増加に伴い、個体密度が有意に増加し(p<0.05)、付着基質投入条件は、付着基質なしに比べて3倍もの高い個体密度を示した。表面積の増加に伴い、卵生産数が有意に増加し(p < 0.01)、培養期間中の卵生産数は6.3倍も向上した。付着基質の投入は個体密度、さらには培養系の生産性能を向上させた。上記に加えて、アスタキサンチンなどカロテノイド系色素を高い割合で含有するHaematococcus pluvialisを餌料として用いることで、カイアシ類にそれらの色素を高濃度に蓄積させる新規プロセスを現在研究開発中である。淡水産の本種を段階的に塩分に順応させ、その50%をシスト化させることに成功し(特許申請済)、海水中で生餌料としてカイアシ類に摂餌させることでカロテノイドを蓄積させる培養を実験中である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Sustainability Science and Management
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