本研究では,非管理針葉樹人工林が環境に及ぼす影響と,その対処法について雨水配分(樹冠通過雨,樹幹流,遮断損失)を中心に検討した.その結果,①立木密度が雨水配分に最も影響を与える林分構造指標である,立木密度の増加に伴って,②樹冠通過雨率は概ね一定の割合で減少する,③樹幹流率と遮断損失率は2500本/ha程度まではほぼ一定の割合で増加するが,立木密度が更に増加すると,④樹幹流率はさらに増加し,⑤遮断損失率は減少に転じる,⑥樹冠通過雨率には枯れ枝の状況が影響を及ぼし,⑦林分樹幹集水率は胸高直径に対してベキ関数的に減少すること等を見出し,枝打ち・間伐等の保育作業による雨水配分の制御効果を明らかにした.
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