神経栄養因子(NT)は非神経組織にも発現するが、その役割については未解明な点が多い。ラット白色脂肪組織より間質血管画分を分画してNTの作用について調べたところ、細胞数に変化はなかった。しかし、中和抗体添加で細胞数が減少し、この減少はサイトカインの余剰投与で回復した。一方、神経成長因子NGFではこのような作用はみられなかった。マウスでも同様の反応が見られNT3およびNT4/5のコンディショナルノックアウトマウスを作成した。現在、このマウスを用いて前駆脂肪細胞や筋芽細胞の細胞数や前駆脂肪細胞増殖因子として知られるPDGFやインスリンに対する応答性と分化因子発現を確定させている。
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