研究課題
基盤研究(B)
チトクロム酸化酵素は、食物をO2によって酸化する最終段階を触媒するとともに、それによって得られるエネルギーを使ってプロトンをポンプしている。これは酸素呼吸による生体エネルギー変換の要であるが、その仕組みはまだ謎のままである。本研究ではチトクロム酸化酵素のプロトンポンプ機構を原子レベルで解明することを最終目標に、この酵素の反応を光で制御する手法、及びその手法を用いて反応を追跡できる測定装置を開発した。
生物物理学
呼吸と生体エネルギー発生の機構は古くから人々の興味を惹きつけてきた生命科学の中心課題の一つであるが、その本質はミトコンドリアで行われているプロトンポンプにある。しかしその機構はまだ謎のままであり、教科書にも載っていない。本研究ではこの謎に挑む研究基盤を確立した。なお、近年、チトクロム酸化酵素の活性化因子が発見されており、ミトコンドリア病の治療薬開発の観点で注目されている。チトクロム酸化酵素の機構を原子レベルで解明しさらにそれを制御することは、将来社会の健康保持・増進に寄与するであろう。