損傷組織を再生するためには、エネルギー通貨であるATPの産生が必須であることは明らかであるが、創傷後におけるATPの産生効率が、再生にどれだけ寄与しているかについては未だに不明である。プラナリアは、絶食状態であるにも関わらず、切断後、時間軸に沿って厳密に分化多能性幹細胞が増殖および分化することで、非常に安定的に高い再生能力を示す。本研究において、我々はプラナリア再生初期過程において特別な分子機構が働くことによって、ミトコンドリア内膜で行われる酸化的リン酸化を亢進し、その結果、ATPを効率よく産生することによって幹細胞の増殖および細胞分化を支持している知見を得た。
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