アブシシン酸(ABA)は、SnRK2タンパク質リン酸化酵素を活性化し、様々なタンパク質をリン酸化する。申請者らは、SnRK2の相互作用タンパク質としてRaf36およびRaf22を同定し、これらがABA応答を負に制御することを見出した。Raf36およびRaf22はSnRK2によって直接リン酸化され、タンパク質分解が促進される。また、Raf36が通常時の植物の生長を促進することや、乾燥ストレス時に分解されて植物の成長を抑制する働きを持つことを明らかにした。以上の結果から、今回発見したRaf型キナーゼとSnRK2は、植物の生長制御とストレス応答のバランスを調節するモジュールを形成することが示された。
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