研究課題
人類集団のなかには、タンパク摂取量が極端に少ないにもかかわらず、タンパク欠乏にともなう臨床症状をしめさないものがあることが知られている。これは、「低タンパク質適応」と呼ばれ、代表者のグループは特に腸内細菌叢の役割に着目しながら、そのメカニズム解明を目指してきた。当該年度には、ラオス・ウドムサイ県ナモー郡で収集した糞便サンプルの腸内細菌解析をすすめたほか、パプアニューギニア高地人のサンプルを消化管に移植した無菌マウスの糞便を対象に、低タンパク質適応にかかわる可能性のある細菌を培養し、その細菌のカクテルを無菌マウスに移植するという実験をおこなった。この実験で収集した糞便を対象にした細菌叢解析、血液のタンパク質栄養指標(血清アルブミンなど)の測定、筋肉組織を対象にした筋更新にかかわる生理指標の評価をすすめている。ラオスの調査地では、研究の成果を参加者と共有し、結果の解釈をするための補足的なデータ収集をおこなった。2022年度にはin press であった2本の論文が刊行されたほか、新たに3本の論文を発表した。プロジェクトの成果を単行本として刊行するために、全体打ち合わせ会議を開催し、章立てと具体的な刊行計画を策定した。ラオス熱帯公衆医学研究所(TPHI)、ラオス農業林業研究所(NAFRI)、インドネシア・パジャジャラン大学、パプアニューギニア医学研究所の共同研究者と本研究プロジェクトの成果発表方法についての打ち合わせをおこなった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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