研究実績の概要 |
本申請では10-HDAAによる「M細胞」の分化誘導に関与するシグナル伝達機構を精査すると共に、実際にM細胞からTGDK標識された抗原を効率的に取込ませ、リンパ濾胞の樹状細胞(DC)に抗原を効率的に供給することにより、抗原特異的なIgAの産生を向上させる新規粘膜ワクチン技術の開発を目的としている。その上で、10-HDAAによりM細胞が分化誘導される分子機構を研究結果としてまとめることができた。Isayama, T., Etoh, H., Kishimoto, N., Takasaki, T., Kuratani, A., Ikuta, T., Tatefuji, T., Takamune, N., Muneoka, A., Takahashi, Y., Misumi, S. 10-Hydroxydecanoic acid potentially elicits antigen-specific IgA responses. Biol. Pharm. Bull. 243, 202-1209 (2020) 実際に、10-HDAAをサルの粘膜に予め投与すると、M細胞数が上昇することを明らかにしている。この機構ととしては、M細胞になるための運命決定を受けている細胞のRANKの発現が10-HDAAによって亢進することによって、細胞誘導細胞(MCi細胞)に発現しているRANKLとの相互作用が亢進するためであると結論づけた。本研究成果を受けて、共同研究先から10-HAAを含有するサプリメントの発売も開始され、研究成果が活かされる形となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を取りまとめ、以下の論文に報告できた。本研究成果を受けて、共同研究先からサプリメントの発売も開始され、研究成果が活かされる形となっている。 Isayama, T., Etoh, H., Kishimoto, N., Takasaki, T., Kuratani, A., Ikuta, T., Tatefuji, T., Takamune, N., Muneoka, A., Takahashi, Y., Misumi, S. 10-Hydroxydecanoic acid potentially elicits antigen-specific IgA responses. Biol. Pharm. Bull. 243, 202-1209 (2020) 現在最終年度がスタートしたので、M細胞からワクチン抗原を効率的に取込ませ、リンパ濾胞の樹状細胞(DC)に抗原を効率的に供給することにより、抗原特異的なIgAの産生を向上させる新規粘膜ワクチン技術の開発のためにどのように10-HDAAを使用すれば良いかを検討する最終段階になっており、本年度の終わりまでに、報告できるようにしたいと考えている。
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