αGlcNAcによる胃分化型癌発生の制御機構におけるIL-11とMUC1の関与について検討した。IL-11については、野生型マウスのIL-11受容体にαGlcNAcが結合し、またA4gnt KOマウスでは野生型マウスと比較してSTAT3のリン酸化が亢進していることを提示した。また、ヒト胃分化型癌の8%の症例で癌細胞におけるαGlcNAc陰性かつリン酸化STAT3陽性を確認した。一方、MUC1についてはA4gnt KOマウスの癌化にMUC1が積極的に関与している可能性を示す知見は得られなかった。以上より、胃分化型癌発生制御機構の一つにIL-11を介するSTAT3のリン酸化抑制が示された。
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