研究課題
ワクチンは人類を感染症の脅威から守る優れた医療戦略であるが、副作用がより少なく安心して使用できる次世代のワクチン開発が切望されている。本研究では「アジュバントを使用しないワクチン」の実現可能性を視野に入れ、リンパ節濾胞樹状細胞(FDC)の機能増強に関わる細胞および分子レベルの新知見の取得を目的とする。具体的には、①FDC分化経路、②FDC分化に関わる細胞ネットワーク、③FDC分化誘導因子の同定を目指す。本年度はFDCの前駆細胞として考えられるMarginal Reticular Cell (MRC)を時期特異的に標識可能なマウスシステムの樹立に成功した。さらに、3型自然リンパ球(ILC3)のうち、リンパ節形成期に重要な役割を果たすLTi細胞を特異的に欠損可能なマウスシステムの樹立にも成功した。
2: おおむね順調に進展している
来年度以降の研究推進に必要なマウスモデルを樹立するとともに、解析に必要な発生上のタイムポイントを設定できた。
今年度に作出したMRC特異的な標識マウスRANKL-tTA;LC1;Rosa26 tdTomatoマウスをLTi細胞特異的に除去可能なマウスと交配し、MRCからFDCへの分化に関わるLTi細胞の役割について検討を進める。また、MRCからFDCへの分化に伴い生じる遺伝子変化を網羅的な遺伝子発現解析により突き止める。
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Cell Rep.
巻: 29(9) ページ: 2823-2834
10.1016/j.celrep.2019.10.091