研究課題/領域番号 |
19H03510
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野村 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70301819)
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研究分担者 |
和田 洋一郎 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (10322033)
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
杉山 暁 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (40562715)
羽場 宏光 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (60360624)
熊倉 嘉貴 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90517773)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腹膜播種 / 内照射 / 胃癌 / At-211 / 放射性同位元素 |
研究成果の概要 |
マウスの胃癌腹膜播種モデルに対して、この胃癌で高発現していることがわかっているFGFR4に対する抗体と、超短寿命α線放出核種であるAt-211を結合したものを投与し、その治療効果を検討した。腹腔内投与と経静脈投与とを行い、その集積、治療効果を比較した。FGFR4-At-211は腹膜播種を有する腹膜に集積が認められた。経静脈投与よりも腹腔内投与の方が早期に腹膜播種に集積した。At-211の半減期7.2時間を考えると腹腔内投与の方が治療に有利であると思われた。 治療10日後の観察により、At-211投与群で、明らかにコントロールと比し、治療効果が確認され、また、生存曲線にて延命効果が認められた。
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自由記述の分野 |
消化器外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌の腹膜播種は有効な治療法がなく、腸閉塞をきたし、癌患者のQOLを著しく悪化させる。昨今、登場した免疫チェックポイント阻害剤も効きにくい。腹腔内には腸管が存在するため、放射線外照射もできない。この腹膜播種に対する有効な治療法として、短寿命α線放出核種であるAt-211と癌に集積させるための抗体とを結合させた治療法を考案し、その有効性を確かめることができた。α線は細胞数個のレベルしか飛ばず、他臓器の障害や周囲の人の被曝は少なく、また、DNAの二重鎖切断により細胞周期によらない効果が期待できる。新たな腹膜播種治療として、開発の意味があることを確信した。
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