研究課題
APPノックインマウス(APP-KI)における脳への集積を再評価した。12か月齢以上のマウスにおける脳への抗体集積は、抗Aβオリゴマー抗体6H4を投与した対照マウスおよびコントロール抗体を投与した同一月齢のアルツハイマー病モデルマウス(APP-KI)と比べ有意に高く、Aβオリゴマーへの特異性をin vivoで示すことができた。フルボディー抗体の脳移行性は投与した放射標識プローブ全体の0.05~0.1%とこれまでの報告と同等であった。さらにこの僅かなBBB移行性の弱点を克服するために開発した細胞膜透過型・血液脳関門通過型のマイクロ抗体をプローブ化して細胞内外に局在する脳内AβオリゴマーのPET画像での可視化を試みた。放射性同位体ジルコニウム-89(89Zr)標識プローブ作成に成功し、若いコントロールマウスでの脳内移行性を確認後、脳内AD病態が完成した加齢APP-KIマウスで検証したところ、若年コントロールマウス同等のBBB移行性が確認され、BBB通過型マイクロ抗体の傍証を得た。しかしながら、既存のアミロイドPETプローブと同等の脳内移行性を有するにも関わらず、PET画像でのAβオリゴマー可視化には至らなかった。原因として脳内に蓄積する病態をAβオリゴマーが取らず、PET画像で捉えきれぬ動態が考えられ、その診断応用にはこの特性を加味した工夫が必要と考えられた。しかし、これまでの抗体の弱点を克服したBBB通過型抗体の取得に至ることができた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Nanobiotechnology
巻: 21 ページ: 36
10.14283/jpad.2021.37