研究課題/領域番号 |
19H03948
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
大川 聡子 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (90364033)
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研究分担者 |
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20437180)
小川 久貴子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (70307651)
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
森田 明美 東洋大学, 社会学部, 教授 (70182235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 10代妊娠 / 10代出産 / 若年妊娠 / 逆境的小児期体験(ACE) / 家庭訪問 |
研究実績の概要 |
1. 10代妊婦・母親に家庭訪問を行ったRCT論文のシステマティックレビュー:10代妊婦・母親に家庭訪問を行ったRCT(ランダム化比較試験)論文のシステマティックレビューを実施した。Pub Med,CINAHLなど11のデータベースから抽出された文献を適格基準(1.10 代の妊産婦を対象、2.妊娠中から産後にわたる家庭訪問、3.ランダム化比較試験)に沿って抽出した。データベースから抽出された論文は1,825件,最終的に適格基準を満たした論文は 44 件(31研究)であった。実施国の多くはアメリカで30研究、研究参加者の合計は9,862人、介入者数は合計5,237人(範囲 25~808人)であった。妊娠中からの訪問では育児に関する内容のみならず,母親のメンタルヘルスや学業の継続・就業など、母親の生活基盤を支える効果がみられた。またメタアナリシスの実施にあたって、セントルイス大学看護学部 ジョアンナ シュナイダー教授を招へいし、分担者とともに研究会を実施した。教授からは入力・分析方法に関するワークシートの提供を受け、分析を進めている。
2. ACEを持つ母親への実態調査の準備:日本では10代母親のACEの実態が明らかになっていないことから、乳幼児を育てる母親が持つACEの年齢別特徴を明らかにしたいと考え、調査するACE項目を精査した。海外研究者からは、従来のACEが家庭内に特化されすぎていることへの批判があること、日本独自のACE項目を入れること、経済的困難に関する項目を入れることなど助言を受けた。また複数の自治体保健師に調査項目について意見を聞き、ACE項目をアンケート調査で尋ねる際の表現方法に関する助言を受け、心理的負担感を与えない表現を工夫し、11項目中9項目を逆転項目とした。これらの指摘を踏まえ、作成したACE項目の内容を分担研究者らと議論し、調査用紙を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ACE調査やシステマティックレビューは、順調に進行した。しかし、2月にアメリカにおいて10代妊婦・母親を対象とした家庭訪問プログラムおよび支援機関や研究者との情報交換をする予定であったが、新型コロナウィルスの影響により中止せざるを得ない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
10代母親のACEの実態や、ACEを緩和するプログラムに関する海外研究者・実践者との連携・情報交換に関しては、主にオンラインで情報収集を行う予定である。
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