遅発性筋痛(いわゆる運動後の筋肉痛)は誰もが経験のある身近な痛みであり、患者・高齢者・労働者・アスリートなど、多くの人々の日常動作や運動習慣を制限する。そのため、超高齢化の中で健康長寿を目指す本邦において、とりわけ重要な社会的課題である。本研究では遅発性筋痛のメカニズムの一端を神経・分子レベルで解明することができた。また、脊柱起立筋への伸張性収縮負荷による広範囲かつ体系的な圧痛閾値ヒートマップの作製により、ヒト腰部筋の遅発性筋痛モデルを確立した。これらの成果は遅発性筋痛の基礎・臨床に役立ち、その創薬や予防法の確立に繋がる有用な知見であると期待できる。
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