研究課題
基盤研究(B)
生体は、部分的な機能障害が原因で個体の機能不全に陥ることがないよう情報伝達ネットワークによってコントロールされている。この情報伝達ネットワークは加齢により徐々に変容し破綻していく。本研究では、多様性と反応性を兼ね備えるジペプチドライブラリーを用いて、情報伝達ネットワークの変容を体系的・包括的に検討し、老化の全体像を俯瞰することを目指した。併せて、情報伝達ネットワークが変容した個体において有効な生理活性ペプチドを探索し発見した。
食品生理機能学
老化とは情報伝達ネットワークの変容や破綻により生じる表現型と考えられるが、実際に、どのような細胞や組織がどのようなプロセスを経て機能が低下していくのか不明な点が多い。今回、多様性と反応性を有するジペプチドライブラリーを用いて変容する情報伝達ネットワークの実体をあぶり出すことに成功した。加えて、加齢や栄養条件によって変容したネットワークにおいて効率的に作用する新しいペプチドも発見した。基礎科学とその応用のいずれにも貢献したといえる。