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2019 年度 実績報告書

肺微小循環と肺胞マクロファージの挙動変化を指標にした加熱式たばこの健康影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H04041
研究機関国立保健医療科学院

研究代表者

牛山 明  国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (60291118)

研究分担者 稲葉 洋平  国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80446583)
服部 研之  明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (90306663)
中舘 和彦  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (80372895)
小笠原 裕樹  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (20231219)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード加熱式たばこ / 酸化ストレス / マクロファージ / 微小循環
研究実績の概要

近年、利用者が増えている加熱式たばこについてはその生体影響を示す科学的根拠が不足しており、国の役割として科学的なエビデンスの収集が求められている。
本研究は、加熱式たばこの煙(エアロゾル)が最も影響を及ぼす呼吸器系、循環器系に対する急性・亜急性の炎症反応を、様々な手法により解析しその作用機序および公衆衛生学的インパクトについて明らかにすることを目的とする。
令和元年度は研究の初年度として、肺組織の血流をリアルタイムに観察するための実験系である肺ウィンドウを完成させ、2週間以上の生存と微小循環の観察が可能なモデルとその技術をおおむね完成させた。また、気管支肺胞洗浄液(Bronchoalveolar lavage:BAL)で回収される肺胞マクロファージのフローサイトメトリーを用いた分析系を確立し、喫煙時の主流煙(副流煙)ないしはそこから派生する酸化ストレスにより惹起される肺胞マクロファージの挙動について解析が可能となった。
また、肺の固定標本の走査型電子顕微鏡像も取得することが可能となり、次年度以降の基礎づくりを進めた。
一方で、現在世界的にも報告がない加熱式たばこの主流煙をマウスに曝露する装置の試作機を開発し、マウスに加熱式たばこのエアロゾルを吸入させるシステムを構築した。開発したシステムで捕集した主流煙成分と従来の化学分析で用いてい捕集装置での主流煙成分を比較した結果今後マウスへの曝露を行うのに十分な装置であることわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね予定通りである。

今後の研究の推進方策

令和2年度以降の予定を述べる。
国際標準規格を満たした主流煙の動物実験用喫煙装置を開発したが、まだ改善の余地があるため引き続き改善を行う。改善後、動物へ正確にばく露をおこなうためのシステムを確立させる。なお、マウスへのたばこ煙(エアロゾル)ばく露が十分に成立しているかを確認するために、尿中のニコチンおよびニコチン代謝物を化学分析で定量し、クレアチニン補正を行った尿中ニコチン代謝物量を、燃焼式たばこのたばこ煙ばく露の場合を比較し、相違の有無をあきらかにする。
上記1)で開発したばく露装置を用いてマウスに吸煙させ、その後肺胞洗浄液を回収、また肺を摘出する。肺胞洗浄液に含まれる細胞群を組織染色およびフローサイトメーターを用いて細胞群の種類と構成比について、吸煙していない個体と比べどう異なるかをあきらかにする。また、肺における組織学的変化にも着目して、検討を行う。これらは当面の間、WildTypeのC57BL/6マウスを用いて行うが、マクロファージ特異的にGFPを発現する遺伝子組み換えマウスで実験することも計画する。
酸化ストレスについて、1で作成した吸煙装置を用いた場合の加熱式たばこからの煙ばく露による変化を明らかにするために様々な指標で網羅的に検討を行う。
たばこ煙吸入による肺の微小環境における炎症性反応を明らかにするため、1)で述べた吸煙装置でマウスに加熱式たばこを吸煙させ、その後、生体顕微鏡を用いた、肺微小循環系のリアルタイムイメージング手法を用い、影響を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高濃度酸素連続吸入による酸化ストレスが肺胞上皮細胞に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      澤 麻理恵,牛山 明,服部 研之.中舘 和彦,石井 一行
    • 学会等名
      第90回日本衛生学会学術総会
  • [学会発表] 加熱式たばこIQOS互換性の違いによる有害化学物質発生量の比較2019

    • 著者名/発表者名
      稲葉洋平,内山茂久,戸次加奈江,牛山明.
    • 学会等名
      第56回全国衛生化学技術協議会年会

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公開日: 2022-12-28  

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