研究課題/領域番号 |
19H04229
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
喜多 敏博 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (20284739)
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研究分担者 |
松居 辰則 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20247232)
北村 光司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (50509742)
富田 賢吾 名古屋大学, 環境安全衛生推進本部, 教授 (70422459)
苑田 裕樹 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (70614494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | VUI / analytics / 心的状態推定 / Moodle / chatbot / 安全教育 / 態度 |
研究実績の概要 |
<安全教育システムの3分野における試用と評価>として、「子どもの傷害予防」「環境安全工学」「救急看護教育」の各分野向けの安全教育システムの試作を行い、形成的評価(限定した人数での試用および改善点の発見)を進めた。「子どもの傷害予防」分野については、保育士、保健師、看護師、小児科医に試用してもらったことで、システムの提示情報の種類についての改善提案が得られ、その結果を国内学会で発表した。「環境安全工学」分野については、先行研究で構築された安全情報データベースとの適切な連携形態と、現場での使用デバイスは何が適切かを実機テスト等により検討した。「救急看護教育」分野については、eラーニング教材の設計と形成的評価を行った結果を国内学会で発表した。これらの結果を統合し、安全教育システムが持つべき能動的機能の再設計を行った。 <能動的機能の改善>としては、能動的機能の構成要素として、新たにMycroft(オープンソースVUI)やLINEボット等を導入し、Moodle連携の実装について国内学会および国際学会で発表した。Moodleの日本語での公式ドキュメントである「MoodleDocs日本語版」https://docs.moodle.org/ja の翻訳者として400ページ余りのページを英語版から翻訳することにより、Moodle Analytics等での開発に必要な情報収集に努め、また、日本語でMoodleを利用するユーザに対し広く情報を提供した。 心的状態推定エンジンについても、計測機器からの生体情報を用いた学習者の心的状態推定結果を Moodle Analyticsでの指標として入力可能にすべく、実験データに基づき精度評価等の検証を進め、成果を国内学会および国際学会で発表した。 本プロジェクトのサイト https://kmkst.cica.jp でも随時、成果を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
<安全教育システムの3分野における試用と評価>の進捗は概ね順調であり、一部、実際の利用を想定しているユーザ層による試用に至っていない分野もあるが、「子どもの傷害予防」「環境安全工学」「救急看護教育」において安全教育システムの試用および形成的評価を行っており、提示すべき情報の内容や形式、既存のデータとの連携など、実用上改善すべき点が見つけられている。 <能動的機能の改善>の進捗も概ね順調であり、新たに導入したMycroftやLINEボットによって本プロジェクトの安全教育システムがより柔軟かつ効果的に利用可能となることが期待できる。また、MoodleDocs日本語版を充実させることを通じて、Moodle Analytics等での開発に必要な情報収集ができ、日本語でMoodleを利用するユーザに対し広く情報を提供することもできた。心的状態推定エンジンについても、計測機器からの生体情報を用いた学習者の心的状態推定結果を実験データに基づき精度評価等の検証を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行に伴い、研究打合せやセミナー等の対面実施が困難となることを念頭に、オンライン等での効果的な実施に努める。 2021年度も継続して雇用する研究支援者をプロジェクトマネジメントの中心として、能動的LMSの全体設計および「子どもの傷害予防」「環境安全工学」「救急看護教育」の各分野向けの安全教育システムの改善と利用開始を遅延なく実施し、開発したシステムや得られた成果を広く公開する。
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