研究課題
基盤研究(B)
本研究では、これまで微生物-鉄鉱物相互作用に基づき構築した高度集積培養系および新たに取得した海底地下堆積物試料を対象として、分離培養法、次世代シーケンサーによる大規模微生物種同定技術、比較ゲノム解析、高感度安定同位体追跡法を組み合わせて利用することで、結晶性酸化鉄の還元に関与する嫌気的メタン酸化菌や嫌気的酢酸酸化菌の生理生態学的性質(機能、分布、相互作用等)を明らかにした。これにより海底地下圏炭素・エネルギー動態の理解を深めた。
環境微生物学
本研究標的のC1およびC2化合物である「メタンおよび酢酸」と地球第4位の構成元素である「鉄」は地球根源物質であるため、その代謝に関わる未知微生物群の実態解明は地下生命圏の代謝活動全体を紐解くことに直結する。比較ゲノム解析や高感度安定同位体追跡法を駆使することで、海底堆積物中で結晶性酸化鉄を利用し生存するための微生物代謝戦略の一端を明らかにした。