研究課題
基盤研究(B)
海洋に流入するプラスチックごみは生態系に深刻な影響を及ぼしている。本研究では、日本周辺の深海域を調査し、房総半島沖の深海底で高密度のプラスチックごみが他海域と比較して百倍(マクロプラスチック)から数千倍(マイクロプラスチック)に集積していることが明らかになった。海表層の渦がこれらのごみを集約し、直接海底へ輸送するメカニズムが推察された。さらに深海環境ではプラスチックの劣化が非常に遅いことが確認された。
生物海洋学
本研究で、日本周辺の深海底には他の海域と比べて多量のプラスチックごみが存在することが明らかとなった。海流がプラスチックごみを日本周辺海域へ運び、海底へと輸送するメカニズム、輸送されるごみの量、日本周辺の深海底に広がるプラスチックの存在量が今後モデルによって示され、行方不明プラスチックの実態が明らかとなるだろう。これらの海洋情報は、政策立案者にとって具体的な対策を講じるための科学的根拠を強化し、海洋環境保全の一助となる。