研究課題
本研究は、インドネシア泥炭地の荒廃と回復,その過程における土地権のあり方について研究した。企業の産業造林権取得は住民の間にさらなる森林喪失の危機感を生み、住民による森林の伐採、開墾、土地権先取が進みこれは結果的に泥炭地の荒廃化につながった。一方、住民も企業も一旦なんらかの土地権を得ると、泥炭火災を防止するなど土地管理を強めることも明らかとなった。住民は繰り返す泥炭火災にあうと、土地権の弱い土地（なんの土地証もない土地）は放棄する傾向があるのに対し、土地証があって土地権が強い土地は管理を強めた。このように、環境と土地権の間には強い関係がみられ、環境の保全は土地権を強化を促す重要な要因であった。一方、土地権の強化が環境の保全につながるがこれは住民が土地権を得たのちであった。他方、調査地の大半は政府指定の森林地域である。政府が管理する土地であるにも関わらず、政府の管理による泥炭火災の防止は進んでいると言えない。政府指定の森林地域における政府の土地権と住民の土地権の重複問題について、政府は社会林業の実施による住民に対する土地使用権の付与の道を開いている。ただ、実際には紛争地以外では住民は社会林業実施のインセンティブを持たない。一方、住民は政府が禁止する、政府指定の森林地域における土地情報書(SKT)の発行を進めている。住民や村行政は、SKTは所有権を示す書類ではないがその存在によって、住民間の土地紛争が防止され、かつ泥炭火災時に誰が消火をするのかについての責任関係を明確にしていると主張している。すなわちSKTは住民土地権の強化と環境保全をもたらしているのであった。これら土地権、生物多様性、炭素排出、泥炭湿地化、ガバナンスやジェンダーからの研究を進め、科研としてスプリンガーから２冊の英書をオープンアクセスで公刊し、非常に多くの閲覧を得ている。その他、2冊の英書を国内外で出版した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (27件) (うち国際共著 26件、 査読あり 27件、 オープンアクセス 23件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 7件、 招待講演 7件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
IOP Conference Series: Earth and Environmental Science
巻: 1308 ページ: 012031～012031
10.1088/1755-1315/1308/1/012031
東南アジア研究
巻: 61 ページ: 93～124
10.20495/tak.61.2_93
Southeast Asian Studies
巻: 12 ページ: 47-87
10.20495/seas.12.1_47
Mizuno, Kosuke et al. ed. 2023, Vulnerability and Transformation of Indonesian Peatlands, Singapere: Springer,
巻: - ページ: 17-49
10.1007/978-981-99-0906-3_2
Mizuno, Kosuke et al. ed. 2023, Vulnerability and Transformation of Indonesian Peatlands Vulnerability and Transformation of Indonesian Peatlands, Berlin: Springer,
巻: - ページ: 1-13
Mizuno, Kosuke et al. ed. 2023, Vulnerability and Transformation of Indonesian Peatlands Berlin: Springer,
巻: - ページ: 89-101
10.1007/978-981-99-0906-3_
Sustainability
巻: 15 ページ: 6560～6560
10.3390/su15086560
Jurnal Penelitian Pendidikan IPA
巻: 9 ページ: 2686～2692
10.29303/jppipa.v9i5.3469
Global J. Environ. Sci. Manage
巻: 9(3) ページ: 1-18
10.22035/gjesm.2023.03
Agriculture
巻: 13 ページ: 459～459
10.3390/agriculture13020459
GEOGRAPHY, ENVIRONMENT, SUSTAINABILITY
巻: 15 ページ: 64～79
10.24057/2071-9388-2021-119
Jurnal Manajemen Hutan Tropika
巻: 29(3) ページ: 161-177
10.7226/jtfm.29.3.161
EnvironmentAsia
巻: 16(3) ページ: 1-14
10.14456/ea.2023.31
Proceedings of the 4th Tarumanagara International Conference of the Applications of Technology and Engineering (TICATE) 2021 AIP Conf. Proc
巻: 2680 ページ: 1-5
10.1063/5.0176350
巻: 15 ページ: 10997～10997
10.3390/su151410997
International Journal on Advanced Science, Engineering and Information Technology
巻: 13 ページ: 1363～1371
10.18517/ijaseit.13.4.18240
Jurnal Ilmu Lingkungan
巻: 22 ページ: 472～483
10.14710/jil.22.2.472-483
Mizuno et al eds, 2023, Two Centuries of Agrarian, Economic and Ecological Shifts in the North Coast of Java, 1812-2012, Yogyakarta; Gadjah Mada University
巻: - ページ: xxi-xxxiv
in Mizuno et al eds, 2023, Two Centuries of Agrarian, Economic and Ecological Shifts in the North Coast of Java, 1812-2012, Yogyakarta; Gadjah Mada University Press,
巻: - ページ: 174-190
Mizuno et al eds, 2023, Two Centuries of Agrarian, Economic and Ecological Shifts in the North Coast of Java, 1812-2012, Yogyakarta; Gadjah Mada University Press,
巻: - ページ: 335-358,
巻: - ページ: 359-374
Journal of Open Innovation: Technology, Market, and Complexity
巻: 8 ページ: 215～215
10.3390/joitmc8040215
巻: 14 ページ: 16287～16287
10.3390/su142316287
巻: 14 ページ: 14445～14445
10.3390/su142114445
Kasetsart Journal of Social Sciences
巻: 43 ページ: 1075,1084
10.34044/j.kjss.2022.43.4.33
ACE: Architecture, City and Environment
巻: 16 ページ: 1-20
10.5821/ace.16.48.10631
Biodiversitas Journal of Biological Diversity
巻: 23 ページ: 424-435
10.13057/biodiv/d230144
